Ismet Berkan コラム:イスタンブルの高層ビル群(Radikal紙)
2005年10月27日付 Radikal 紙

(訳者註:先日、ドゥバイ系企業とイスタンブル市の共同投資で行うイスタンブルの都市計画が発表された。都市計画の第1弾として、高層のツインタワーが建設される予定である。このコラムはそのことを踏まえた上で書かれている。ツインタワーの詳細は10月25日の記事「イスタンブルに高さ300メートルのツィンタワー:ドゥバイの建設会社がデザイン(Milliyet紙)」を参照。)

首長はドゥバイを1つの会社のように運営し、信じられないほどの成功を収めている。ドゥバイ、またはアブダビに行った者は影響を受けないではいられないだろう。私からすれば、ドゥバイはアメリカのラスベガスよりも大きな影響を人に与える。少なくともラスベガスと同じくらい繁栄している所だろう。 ドゥバイは地理条件のもたらした制約のために、そして同時にその地理条件の恩恵もあって街を大規模な不動産事業として売っている。しかし誤解がないように言っておくがドゥバイは単なる不動産事業では終わらない。不動産に関して彼らがやっていることは世界中の多くの人の夢を苦しめるだろう。

今日はこのコラム欄にイスタンブルという都市の抱える問題を連載して3日目となる。イスタンブルも1つの会社として運営されるべき、運営されうるべきである。もちろんドゥバイとは違って資金について説明しなければならない1200万人以上の共同経営者のいる会社として…

そしてもしイスタンブルが会社のように運営されるのなら、ドゥバイの投資家によってなされることが明らかとなった例の計画はあのまま実施されるべきではない。確かにイスタンブルに500万ドルの投資がなされるのは素晴らしいことだ。第1ラウンドとしては500万ドルのタワーが建設されるのはいいことであり、イスタンブルが利益を上げることは間違いない。しかし果たしてイスタンブル市も同じく利益を上げることができるのだろうか。設立される不動産投資共同会社への20%の出資というのはまだうなずけるが、今度チェリキテペに建てられるタワーでは半分ずつの分割が必要だろう…

なにはともあれ、あのタワーに関する出資のかたちはまだ全てが明らかにされたわけではない。おそらくまだまだ議論されるであろう。私の不満はこれだけではない。あのツインタワーがイスタンブルの日常生活に与える負担の問題がある。私に言わせれば話し合わなければならないのはまずこの点だ。

本当はあのようなタワーなど必要なかったのだ。つまりこのコラムの観点から言えばタワーは必要ない。そもそもタワーができることが公表される前から大きな問題を抱えていたのだから、よけい悪くなるだけだ。

ビュユクデレ通りを見れば交通量が非常に多いことが分かるだろう。レヴェントから始まりマスラックに至るエリアでは恐ろしい交通量となる。そしてこの大渋滞はたった1本の道で工面されようとしている。そんなことは絶対無理だ!その上この道は、ボスフォラス海沿いで増え続けている入居者と、イスタンブルの他の場所とを結ぶ代表的な道路だ。つまりこの道が詰まるや、町の人口の半分は行動できなくなる。そしてこの道はすでに詰まっているのだ。

近いうちにレヴェントの第1産業地区とその向かいのセイランテペでも大きな開発計画が行われる見込みであり、それを考えると早急に渋滞解決策を考えこのエリアに実行する必要がある。地下鉄は解決策の筆頭だがあまり進んでいない。いまだ第4レヴェントまでしかない地下鉄はマスラックのイスタンブル工科大学キャンパスまでは伸びる予定だがそれでは足りない。仕方なしに大勢が地上の道に押し寄せるだろう。この地区の交通の最悪の時間帯はマスラックにあるオフィスから家へ帰る人々を乗せた送迎バスが車線を1本占領する時間帯だ。

イスタンブルは止めることのできない勢いで拡大している。しかし誰もこの問題に熱心に取り組んでいるように見えない。


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( 翻訳者:加賀谷 ゆみ )
( 記事ID:1168 )