欧州議会、追加議定書承認を延期:EU加盟交渉最初の暗雲(Milliyet紙)
2005年09月29日付 Milliyet 紙

欧州議会は追加議定書の承認が必要であるにも関わらず、トルコ大国民議会による「キプロスを公認しない」という宣言が出される可能性があることを口実に、評決に付すことを延期し、10月3日以降、最初の危機の種をまいた。

欧州議会は、関税協定を全EU諸国に拡大する追加議定書の承認を延期した。この延期は、昨日トルコのEU加盟にはっきりと反対を表明した(ドイツ)キリスト教民主同盟の提議により議題になったが、10月3日の交渉開始に関し法的影響力を持つものではない。しかし今回の延期は、交渉過程における最初の危機を招く可能性があり、政治的影響を生む性質のものである。
キリスト教民主同盟が追加議定書承認を延期した背景には、まずトルコ大国民議会で議定書がいかに承認されるかを見てみたいということがある。議会は「追加議定書」を以前政府が発表したキプロス宣言と共に、承認することを考えている。トルコに反対するグループは、これをトルコの加盟を難しくするための「新たな言い訳」として使いたがっているのである。

■レーンの手紙

キリスト教民主同盟による延期を承諾するにあたり、欧州委員会拡大担当メンバーのオッリ・レーンは、欧州議会外務委員長のエルマー・ブロックへ宛てた手紙の中で「トルコの承認過程についてトルコ政府により多くの説明を求めうることを伝え」、このアプローチは「引き金となる」ことを強調した。
レーンは昨日行った演説で、追加議定書がいかに承認されるかという問題に関し、EU委員会としては保証はできないと述べ、「トルコは議会制民主主義がある国である。したがって、困難な過程ではあるが、私に確証を期待することは無意味である」と述べた。
レーンは欧州議会が今日行った決議に落胆を覚えたことを明かしつつも、「この延期は拒否ではない。この決議は、トルコが署名を承認することは、その履行を(EUが)監視することに同意したことを意味しており、その観点からいえば、我々に力を与えるものである」と述べ、また「延期は、交渉開始に影響はない。議定書に関する条件の署名であり、それは実行された」と述べた。

■なぜ重要?

議定書が欧州議会で承認されることは、EUの議決メカニズムに起因する必須事項である。欧州評議会が承認したこの議定書を、欧州議会も承認することが必要である。この承認がなされないと、法的観点から議定書の有効性に疑問が生じ、効力を失することになる。
欧州議会は、議定書の承認を延期し、トルコが議定書に関連して取るであろう措置を見てみたいと考えている。この背景には、トルコが発表したキプロス宣言は、トルコ大国民議会における承認プロセスには含まれないという要求がある。議定書が双方に承認されないことが原因で、この件は宙に浮いたままであり、これも交渉過程にネガティブな影響を与えるだろう。欧州議会ではトルコに反対する者たちが、この要素を利用して交渉過程でトルコ政府を窮地に追いやろうとしている。


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( 翻訳者:幸加木 文 )
( 記事ID:967 )