インドの立場は覆らず:インド首相 シャルグ紙
2005年10月02日付 Sharq 紙

2005年10月2日付シャルグ紙5面

【政治部】先週国際原子力機関(IAEA)の理事会において、イランの核開発計画に反対する旨の決議にインドが賛成票を投じて以来初となる電話会談が、アメリカ大統領とインド首相との間で行われた。この10分間の電話会談で、両国の首脳は、〔米印間の〕核協力とイラン問題について話し合いを行った。AFPは、ホワイトハウスのスコット・マクレラン報道官の発言として、次のように報じた。「ブッシュ大統領とシン首相は、短時間の電話会談において、インド・アメリカ関係や地域の情勢や問題、そして7月18日に発表されたアメリカ・インド共同声明の実施計画に関して意見交換を行った」。同記事によると、ホワイトハウスの大統領補佐官らは会談について詳細をこれ以上明かすことは控えたという。

 来年の初めにもインドへ外遊する予定のアメリカ大統領は、3週間前、国連年次総会の際、シン首相と個別会談を行い、イランの核開発計画に対するアメリカの懸念について話し合った。これまでのところ、インドのマンモハン・シン首相は、11月に開催予定のIAEA理事会で、イランに対するインドの立場が変わる可能性は皆無であると語っている。金曜日のインドの新聞各紙によると、首相のこの発言は、インドが西欧諸国と足並みを揃えてイランに対峙する姿勢を取ったのはアメリカの圧力が原因であるとのインド共産党のプラカシュ・カラト(Prakash Karat)党首の指摘に対する回答として示されたものである。

 ファールス通信は、シン首相に近い筋の発言として、同首相が自らの側近や顧問らの前で「この決定は、アメリカに対する支持や、イランに対する偏見というよりはむしろ、われわれインド国家の利益に基づいて下されたものである」と語ったと伝えている。IAEA理事会において核拡散に対し懸念を示す決定を下したことについては、すでにシン首相よりニューヨーク外遊中に言及されていることであると、同首相の側近も強調する。同筋はさらに次のように指摘する。「インドの近隣に別の核保有国が存在することは、インドの国益に資さない。インドが米欧に与し、イランと対立する立場で投票したことに対して左派党が示した反応に、インド政府は驚きを感じている」。

 他方、ISNAはインド通信社の報道を引用する形で、アメリカの専門筋の議論として、「アメリカ政府は諜報機関が収集した機密情報をインド政府に提供し、そうすることで、インド政府がヨーロッパ提案の決議案に賛成票を投じるよう働きかけた」と主張する。同報道は次のように付け加えた。「アメリカの有力な多国籍企業や同国政府の顧問として活躍している政治専門家のジョン・A・カールバーグ氏は、最近の報告書の中で、イラン問題を通して、インドとアメリカの関係が今後どれだけ発展・深化できるかが試されているのであり、ワシントンはインド政府が最終的に、イランに対するアメリカ政府の断固たる立場を擁護したことについて非常に満足している、と記している」。

 同氏はまた、次のように主張する。「アメリカは、理事会においてインドがヨーロッパの決議案に賛成票を投じることを確かなものとするために、通常ではありえない行動に出た。すなわち、イランが核弾頭搭載可能なミサイルの生産に営為努力してきたとされることについて、アメリカ政府が諜報活動を通じて得た極秘情報を、インドに提供しようというのである」。

 他方イラン政府は、イランの軍事・防衛ドクトリンに核兵器の利用が入り込む余地はないと、繰り返し表明している。

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( 翻訳者:柴田愛子 )
( 記事ID:992 )