EUスタンダードによる新生活:日常生活はこう変わる(Milliyet紙)
2005年10月05日付 Milliyet 紙

EU加盟交渉はそのプロセスが進むにつれ、法律も生活規範も一歩一歩、徐々に量を増やす形で日々の生活に影響しはじめることになる。海や湖へのごみ投棄は禁止され、交通ではドルムシュ(乗り合いミニバス)さえも標準化される。

欧州連合との完全加盟交渉を始めたトルコは、交渉プロセスの進展に従って身近な日常生活に影響を与える“EU標準”に直面することになる。加盟交渉は進展するにつれ、法律も生活規範も一歩一歩、徐々に量を増やしながら日常生活に影響し始めることになる。この影響の範囲は、35項目の交渉内容分野と重なり合う。EUは交渉プロセスの中で、これまでの決議や法の対象となった食料、環境、労働に関する報告に適合することを求めている。交渉プロセスとともに我々の日常生活に反映される変更点は下記のとおりである。

■クリーンな空気、静かな環境

・ごみの山は撤去:固形廃棄物は、確実に紙類、ガラス、プラスティックに分別される。空き地に積もった“自然のごみ貯蔵庫”は撤去される。各県に注射器、血清、実験チューブ、汚れたコットンのような廃棄物のため、医療廃棄物処理施設が設置される。シーツ、シャンプー、電球、Tシャツ、ネコ用の砂など多くの製品は、製造段階から最終使用まで「環境に害を与えない」基準が定められる。
・海、湖、川をごみ無しに:海洋を汚染する物資を輸送する船の航行は禁止される。浄化施設を通すことなしに、排水を海洋、湖、川にどういう形であっても流してはならない。
・汚染者に罰金:EU諸国全体で適用されている「汚染者に罰金」という考え方がトルコにも適用される。あらゆる措置を取っていたとしても、個人から組織に至るまで皆が環境に与える損害を元に戻せる金額の賠償金を支払うことが求められる。
・騒音基準の設定:娯楽施設だけではなく、都市の建設現場や職場、交通にも騒音基準が設けられる。家庭にある道具類さえもその基準の対象となる。
・大気汚染の低減:EUが示した基準に適合させるための検査システムにより、大気汚染ガスの利用を、ある一定割合以下に削減する。
・無鉛ガソリン:全EU加盟国は2011年に完全に無鉛・無硫のガソリンやディーゼルガソリンへ移行する。トルコもこの分野で措置を取る。
・ドルムシュ(乗り合いミニバス)はEU仕様:タクシー、ドルムシュのような集団輸送車両に対し基準が設けられる。この車両では、シートカバーから、鏡、ドア、トランクに至るまで標準の素材が使用される。
・運転免許取得を難しく:運転者教育を再検討し、運転免許取得を難しくする。
・食品はすべてパッケージ入りに:食品はすべてパッケージ化して販売される。商品の上に製造日、賞味期限、金額、すべての原材料のリスト表示が義務化される。
・水は蛇口から:EU基準では実験室と分析システムの設置が必須となる。それにより都市の飲料水の質を高める。
・「たばこは健康に害悪」:たばこの箱の面積の40%に警告が書かれる。屋内での喫煙禁止を実行するかどうか、積極的に検討される。
・食品監視システム:緊急警報システムの構築により、国内のある場所で健康に害をおよぼす食品が販売されたことが判明すると、その食品の全国組織に知らされる。
・朝食にEU基準:蜂蜜、加工乳、料理用オリーブ油、バターのような食品や消費財は、EU基準に従う。
・野菜の大きさの基準化:野菜や果物の大きさは、定められた基準に合うかどうかが検査される。

■労働者にも発言権

・労働組合の設立:1000人以上の労働者または最低2加盟国のそれぞれに150人の労働者がいる企業の職場には、労働者を含む労働評議会が設置され、労働者の経営への参画を保証する。
・農業に従事する女性に保険:農業に携わる女性たちが、社会保障を獲得できるような方向で方策を進める。
・出産後の対策:企業で働く妊娠中の女性と出産後職場復帰する女性たちが直面するであろうリスクについて対策を取る。働く父母が新生児や養子の世話をするために、子どもが8歳になるまで毎年3カ月の育児休暇が与えられる。

(中略)

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( 翻訳者:幸加木 文 )
( 記事ID:1004 )