トルコのEU加盟交渉、いよいよ正念場:10月3日の交渉を前に(Milliyet紙)
2005年10月03日付 Milliyet 紙

トルコが今日EUとの加盟交渉を開始するのを前に、唯一の障害となっているオーストリアを説得するためルクセンブルクで行われたEU外相会議では結論は出なかった。

トルコが10月3日に交渉を開始することについて明らかな異議を唱えている唯一の国であるオーストリアの頑な態度は、昨夜行われたEU外相特別会議でも変えることができなかった。24カ国に包囲される形となったオーストリアは、会議が終わりに近づくにつれ態度軟化の兆しは見せたものの、説得には応じなかった。会議に先立ち「お互いの話をよく聞き、この問題についてヨーロッパとしてのよりよい見解を導きたい」と語っていたオーストリアのプラスニック外相は、24カ国からの説得に耳を貸さなかった。濃密な議論の結果、オーストリアの意向も一定程度くみ取った文書を基にした交渉が始まったが、プラスニック氏はゴーサインを出さなかった。

■ブレアが動いた

外相会議を前に、オーストリアの反対を突き崩せる可能性は低いと見たイギリスのブレア首相はオーストリアのシュッセル首相に電話を掛けた。ブレア首相は、オーストリアに翻意を促す、ジャック・ストロー外相もプラスニック外相との2者会談を実現させた。イギリスはトルコ政府とも絶えず水面下で交渉を続けた。
会議の中でEU加盟国は、オーストリアの要求が「(2004年)12月17日の決定の範囲を超えており、法的に不可能であることを」説明しようと努めた。24加盟国が特に強調したのも、決定に基づいてトルコとの間で始める交渉の目標が「完全加盟」でなくてはならないという点だった。
オーストリアの主な主張は「我々は交渉が10月3日に始まることに反対しているのではない。異議を唱えているのはこの交渉がもたらす結果の部分だ」というものだった。オーストリアは「交渉で分かち合う目標がEU加盟」という文章の変更を要求した。しかしこの件で他国の激しい反対に直面すると、重点をもう一つの反対点である“受容能力(注)”に移した。文書にこの表現があるにもかかわらず、プラスニック氏はこの表現の内容を明示することや、この(EU加盟国としての)責任を果たせなかった場合、EUとトルコの関係はどうなるのかを明らかにするよう求めた。イギリスは、食事の後にプラスニック氏との長時間に及ぶ2者会談を実現させた。達した結論について、プラスニック氏はシュッセル首相と評価を行った。その結果、オーストリアは主張を取り下げない決定を下した。トルコ時間で午前2時頃に行われた会見で、会議で結論が出なかったため、翌朝10時半から再度外相が集まって協議すると発表された。

■12月17日に忠実に

会議後、会見を行ったイギリスのストロー外相は、「前進したが、成果は十分なレベルには達していない」と話した。オーストリア、イギリス、EU委員会の間の協議は翌朝まで続くだろうという見通しを示しながら、ストロー氏は「残念な結果に終わる可能性がある。しかし明日(本日)17時まで時間がある」と述べた。また加盟交渉開始について12月17日の声明に忠実でなければならないとも語った。

■まずトルコ

トルコについて結論を出せなかったEUは、10月3日の協議事項にも変更を行った。朝の会議でクロアチアを取り上げる予定だったEUは、予定を変更して初めの会議でトルコの問題について議論することを決めた。これには、トルコへ向けてEU(外相)会議の出す決定を十分吟味する時間を残し、肯定的な結論ならばトルコ時間で18時に行われる政府間会議に間に合わせたいという考えが反映している。

(注)コペンハーゲン基準で決定された、EU加盟国としての義務を負う能力
参考:http://www.radikal.com.tr/haber.php?haberno=165930

Tweet
シェア


現地の新聞はこちらから
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:岩根 匡宏 )
( 記事ID:990 )