アフガニスタン大統領パリへ出発 シャルグ紙
2005年10月03日付 Sharq 紙

2005年10月3日付シャルグ紙8面
 アフガニスタン大統領ハーメド・カルザイ氏は、フランス大統領と会談し、テロとの闘いやアフガニスタンの新議会について話しあうため、パリへ出発した。

 AFPの報道によると、アフガニスタン大統領府のスポークスマンは声明で次のように述べた。「この4日間の外遊では、アブドッラー・アブドッラー外務大臣やザルマーイ・ラスール国家安全保障担当顧問ら数名の閣僚が、カルザイ大統領に同行する」。カルザイ大統領はフランス政府当局者との会談で、両国の二国間関係、アフガニスタンへのフランスの援助の継続、テロとの闘い、アフガニスタン議会の発足について議論することになっている。

 この訪問の間、カルザイ大統領はドミニク・ド・ヴィルパン首相、フィリップ・ドスト・ブラジ外相、ミシェル・アリヨ・マリ国防相と会見する予定。同大統領はまた、フランス議会で演説し、またユネスコの文化会議に参加する。

 なお、フランスは、ターリバーンの残党と戦うアメリカ指揮下の連合軍兵士2万人のうち、約200人をアフガニスタンに派遣している。これに加え、さらに600名のフランス軍兵士がNATOの平和維持軍としてカーブルに駐留している。

・アフガニスタンにおけるNATOの活動拡大

 イギリスのジョン・リード国防大臣は、アフガン当局との会談で、「北大西洋条約機構(NATO)の指揮下にある国際治安支援部隊(ISAF)の活動拡大に関する検討が開始された」と明言した。

 BBCの報道によると、同国防相は金曜日、4日間の日程で行われる公式会談のためカーブル入りし、アフガニスタンの国防大臣アブドッラヒーム・ヴァルダク将軍との会談を終えた後、報道陣に対し、イギリスはアフガニスタンに対する様々な分野での援助強化を約束したと語った。

 同国防相は記者会見で、イギリス軍はアフガニスタン南部に展開するISAF指揮下の最初の部隊となる予定であると語った。この報道によれば、南部、南東部はアフガニスタンで最も危険な地域とされている。
〔*注:ISAF(International Security Assistance Force)はヨーロッパ諸国を中心とした、平和維持を目的とした混成部隊であり、ターリバーンやアル・カーイダの掃討を主眼に置く米軍とは、目的や機能を異にしている。それゆえ、ISAFをターリバーン残党やアル・カーイダが潜んでいるとされるアフガニスタン南・南東部に派遣し、米軍と協力することに対しては、ISAFの目的・機能といった観点から、ドイツやスペインといったNATO諸国から疑問視する声が上がっているといわれている〕

 アフガン国防相もこの会見で、リード英国防相との会談を有益であったと評価した上で、会談では、アフガニスタン南部へのNATO軍の活動拡大、同国軍教育のためのイギリス軍のさらなる支援、以前両国の間で締結された戦略協力協定の実施について中心に話し合われたと述べた。イギリス国防相もアフガニスタン議会の選挙が成功裡に行われたことに言及し、「イギリス政府と国民は、民主主義的価値と安全の確立ヘ向けたアフガニスタンの成果を歓迎している」と語った。

 さらに同国防相は次のように述べた。「現在、NATO軍の活動をアフガニスタン南部へ広げるためには、どのような役割を果たすことができるかという問題について考えているところである。このように、ISAFとアメリカ主導の連合軍という枠組みの中で、〔イギリス軍が〕より能力を高めるためには、将来的にさらなる努力が必要となろう。もちろんイギリス軍は、アフガン南部に派遣される混成軍を指揮することになる」。

 その一方で、あるNATO高官はカーブルにおいて、「NATOは現在、アフガニスタンでの外国軍の活動の責任を引き受ける方向で動いているが、NATO諸国はアフガニスタンでのNATO軍の役割をめぐる意見の相違を解決するために、どのような選択を行うべきか、検討しているところだ」と語った。

 ロイター通信の報道によると、アフガニスタン国内の外国軍の2/3を占めるアメリカは、イラクでの問題を理由に、アフガニスタンでの責務を軽くしようとしており、ターリバーン一派との戦闘をヨーロッパの同盟国へ肩代わりさせようと努めているという。

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( 翻訳者:岩間緑 )
( 記事ID:1019 )