モッタキー外相のサウジアラビア訪問は先送りに シャルグ紙
2005年10月06日付 Sharq 紙

2005年10月6日付シャルグ紙2面

【政治部】マヌーチェフル・モッタキー・イラン外相のサウジアラビアへの訪問が延期されることとなった。ペルシア湾岸諸国への訪問日程によれば、モッタキー外相は今日、サウジアラビアの首都リヤドに入る予定だった。しかしAFP通信の報道によれば、リヤド訪問は後日に延期されることとなった。

 マヌーチェフル・モッタキー外相は、月曜日にペルシャ湾岸諸国への外遊をスタートさせた。外務報道官の話によれば、今回の外遊は、湾岸諸国との協力や関係強化を図ることを目的としたもの。アーセフィー外務報道官は、火曜日の記者らとの会見の中で、湾岸諸国の要人らとの会談では、イラクやパレスチナ問題などが議論の中心となると述べた。

 しかし昨今、イラク問題でイランとサウジアラビアが対立していることは明らかである。その事情に詳しい政府関係者らの話では、サウジアラビアのサウード・アル・ファイサル外相がイランとイラクの関係に関して最近発した警告が、モッタキー外相のリヤド訪問延期の理由であるとされる。ファイサル外相は数日前、アメリカのイラク政策によっては、イラクでのイラン・イスラーム共和国の影響力拡大もあり得ると述べていた。当然この発言は、イラク外相、及びイラン外務省双方からの反発を招いた。イランはファイサル外相の発言には根拠がなく、非現実的であると表明してきた。

 いずれにせよ、イラン外務省のある情報筋は昨日、モッタキー外相のサウジアラビア訪問延期を伝えた。延期の理由については触れなかったが、エジプト〔のプレス関係者〕とのインタビューの中で、彼は、来週にもサウジアラビア訪問が実現されるであろうと述べた。

 サウジアラビアの外務省も、モッタキー外相の訪問がキャンセルされたことを伝える際、その理由については説明せず、また今後の訪問の日程についても発表しなかった。

 モッタキー外相の湾岸諸国外遊の1番目の目的国はクウェートであった。外相は、火曜日には2番目の目的国、バーレーンの首都マナーマを訪問、同国の要人らと両国間の問題について話し合った。そして昨日、モッタキー首相は3番目の目的国、オマーンの首都マスカットを訪問、オマーンの要人らと諸問題について議論した。しかし4番目の目的国に予定されていたサウジアラビアへの訪問は、後日に延期されることとなった。

■オマーン外相との会談

 さらに、IRNA(イラン国営通信)が伝えるところによれば、モッタキー外相は、自らの外遊日程3日目にあたる昨日、オマーンの首都マスカットに入り、空港でオマーンのユースィフ・ブン・アラウィー外相の出迎えを受けた。モッタキー外相は、両国間で継続して行われている協議の成果を次のように述べた。「イランとオマーンの間で継続的に協議を行うことで、二国間関係の発展へ向けた道のりを加速化することが可能となる。またこれまでの関係の推移を検討し、その新たな可能性や今後の相互利益のあり方についても、課題として見据えることが可能となろう」。

 モッタキー外相は、イラク情勢に言及し、「イラク国民は、一方ですべての部族・宗派の参加による政府の樹立という課題に、他方で治安の悪化や政情不安という問題に直面している」と説明した。

 また同外相は、「イラクの命運は、国民投票や選挙といった方法により、イラク国民自らの手で決定されねばならない、というのがイランの考えである」と述べ、さらに次のように語った。「地域の国々は、イラク国民の意思に基づく主権国家の樹立に対して、重要な役割を担うことができる。このような中で、近隣諸国は、各々の政策をイラク情勢に適応させる必要がある」。「イラン・イスラーム共和国は、地域のすべての国々の一致した関与とイニシアティブが重要であり、またイラク問題解決の道となりうると信じている」。

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( 翻訳者:柴田愛子 )
( 記事ID:1041 )