イランのイラクへの内政干渉をめぐる議論、再燃(シャルグ紙)
2005年11月09日付 Sharq 紙

【政治部】米国防総省のホームページが伝えるところによれば、ジョン・リード英国防相は、ドナルド・ラムズフェルド米国防長官との国防総省における共同記者会見の中で、「イランに拠点をもつテロリスト集団が、イラク駐留のイギリス人兵士らに対する、最新の爆発物を用いた攻撃に関わっているという証拠は、現在どこにもない」と述べた。

 ISNA(イラン学生通信)の報告によれば、英国防相は、続けて「ここ数ヶ月の間に、おそらくイラクのその他随所でイギリス人兵士らに対して使用された兵器の特徴は、ヘズボッラーのような集団が使用する兵器の特徴に共通しており、イラン国内のテロリスト分子が関与している可能性があるとわれわれはみている」と主張したという。

 さらにリード英国防相は、「イギリス政府は、イランに拠点を持つテロ集団が、イラク駐留のイギリス人兵士らに対してテロを行っているのではないかとの懸念をイランに伝えた」と続けた。

 英国防相はまた、「国際原子力機関も、イランの核能力に対する懸念は拭い去れないと指摘してきた」と主張し、「イラクと国境を接するシリアやイランのような国々は、イラクやその他の地域におけるテロリスト活動を支援してはならない」と続けた。同国防相はさらに、「イギリス政府は、イラクでに展開中の兵士らを保護するために、必要な措置を講じていくであろう」と続けた。

 ラムズフェルド米国務長官もまた、報道陣に対し、「イラクに駐留する有志連合軍は現在、イラク西部やシリアとの国境付近において、暴動の鎮圧にあたっている」と述べた。同国務長官はさらに、「シリアにせよ、イランにせよ、イラクと国境を接するすべての国家や地域は、どんな人物も、イラクをはじめ、事実上ほかのどの地域においてもテロリズムを支援していないことをわれわれに示すべきであろう」と述べた。

■イラクのチャラビー国民会議議長、イランとアメリカの間で調停を行う意思なし
そうした中、イラクの副首相は、「イラン大統領との会談の際に、イランとイラクの国境の治安問題に関して意見交換を行った」と述べている。

ILNA(イラン労働通信)の報告によれば、アフマド・チャラビー議長は、アメリカのニューヨークタイムズ紙のインタビューにおいて、「イランのイラクへの内政干渉問題については、テヘランへ外遊した際に、イランの政府当局者らに伝えている」と述べ、さらに「イラン大統領との会談においては、イラクとの国境でのイラン側の一部の活動や、国境の治安問題について意見交換を行った」と語った。

同議長は、「イラクはアメリカとの強い関係を継続していきたい」と述べる一方で、「イラクでの新首相の指名と、政治グループの協調の際には、これらの問題に反対せぬよう、イラン政府当局者らに約束させた」と語った。

ニューヨークタイムズ紙は、「チャラビー議長のテヘランへの外遊の時期を考えると、議長は次の米国訪問の際に、イランがコンドリーザ・ライス米国務長官に宛てたメッセージを持参することが予想される」と主張する。

こうした中、Ilaf〔アラビア語のニュース・ウェブサイト〕がホームページで伝えた情報によれば、チャラビー議長のスポークスマンを務めるヘイダル・ムーサヴィー(Heidar Mousavi)氏は、将来のイラク議会選挙でのシーア派組織の排除や、同議長によるアメリカとイランとの間の調停の問題に関連するすべてのコメントを拒否した上で、「チャラビー議長は、テヘランへの外遊の際に、軍事や経済、政治関係などの分野にかかわる問題について意見交換を行った」と述べた。同スポークスマンは、また「チャラビー議長は、イスラーム共和制がイラクに確立することに反対している」と述べた。

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( 翻訳者:柴田愛子 )
( 記事ID:1267 )