İsmet Berkan コラム:スカーフ問題の行方と次期大統領(Radikal紙)
2005年11月19日付 Radikal 紙

(訳者註:長年トルコで議論を呼んでいるスカーフ問題に関連してのコラム。これまでの議論は17日「スカーフ問題を解決するか黙るか」18日「スカーフ問題に大統領の持つ影響力」各コラムを参照。)これから16ヵ月後にトルコは大統領を選出する。現行の法に改正がなければ、そしてそれまでの間に総選挙がなければ今の議会からの誰か、または公正発展党(AKP)グループの推薦する外部の者が大統領になる。今言ったように、法律に改正がなく選挙がなければ今のAKPグループが新大統領を決め選出するのだ。つまりAKP党員の大統領が生まれるのだ。

元憲法裁判所長官が今の大統領になっているのだから、AKPの党員が大統領になることもできるはずだ。民主的な国家に生きているのだから皆平等だ。ただ、ことが大統領であるだけにそのポストにつくAKP党員はただの党員ではないだろう。おそらくAKPは「党の上層部」の1人を、またはその上層部の指名する人物を選ぶだろう。投票は匿名で行われるといってもこの類の影響は大きい。

ある時期から密かになされてきた議論は首相でありAKP党首であるレジェプ・タイイプ・エルドアンが大統領になろうとするか否かということに関係している。ある者はエルドアンは間違いなく大統領になると言い、またある者はエルドアンは信頼の置ける人物を大統領府へ送り自分はより楽に首相をやると言う。もちろんこの種の予想はまったくの推論に過ぎないものでありその名の通り予想である。新大統領の人物像を決める影響力のある者たちは2007年4月まではこの決定をしないだろうから、それまでこのような予想がたくさんなされるだろう。

この段階で重要なのは誰が大統領になるのかではなく、誰が大統領を選ぶのかだ…。そして私が言おうとしているように、おそらくただ大統領の選出があるためにAKPは早期選挙を避けようとするだろう。つまり高い確率で今の議会が新大統領を選ぶのだ。すでに主力野党である共和人民党(CHP)の党首デニズ・バイカルはこの可能性が現実になる確率が高いと見ているだろうから、今のうちから2007年4月になる前の早期選挙が行われるようけしかけている。

大統領府の重要性を知るためには憲法の関連部分を見れば十分である。この関連部分の一部を私はすでにこの2日間のコラムに書いた。この非常に重要な役目に誰かをつけるにあたっては、より民主的な統制が必要である。ケナン・エヴレン、トゥルグト・オザル、スレイマン・デミレルが選出されたときはこの統制が利いていた。少なくとも我々は誰が大統領になろうとしているのかは知っていた。しかし今のアフメト・ネヂデト・セゼルが選ばれる前にはこの統制が利かなかった。3人の候補が発表される期間が終わる3時間前にセゼルの名前が出され、セゼルは当選した。セゼルが選ばれた時に国民は彼の経歴や見解について何の情報も持っていなかった。表現が適切ならば、トルコ国民はセゼルを彼の任期中に知った。知りうる限りにおいて。状況は今も同じだ。

我々は次の大統領をこのように選んではいけない。私はCHPがこの点では何か貢献できると思う。そしてもし何かできるのならそれを今から、今日からやるとなお良い。例えばCHPは大統領の選出方法を変えることを提案することができる。これほどの力を持つ大統領に責任を負うことを求めることもできる。またはさらに先に進んで、厳格な力の分離を提案し、大統領の国民による直接選挙の実現を先導することもできる。さらには元首制度そのものを議論に出すこともできるのだ。


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( 翻訳者:加賀谷 ゆみ )
( 記事ID:1339 )