イラン天然ガス輸出に向けた最近の動き ハムシャフリー紙
2005年11月26日付 Hamshahri 紙

2005年11月26日付ハムシャフリー紙

【経済部】ロシアのメディアは、「ロシア政府は、イランからパキスタン経由でインドに至るガス・パイプライン敷設プロジェクトに、ガスプロム社が参入できるようにするための取り組みを開始した」と伝えた。
〔ガスプロム社は世界最大手の天然ガス生産・供給会社で、同社のロシア政府への納税額は同国の税収の約25%を占めるといわれている〕

 本紙の記者が伝えるところによれば、イラン天然ガスの輸出用パイプラインを敷設するプロジェクトは、インドとパキスタンがエネルギー需要に喘いでいる現状にもかかわらず、数年の間、滞った状態にあった。イランの核問題をめぐる西側からの圧力が原因で、幾度にわたって変転してきた経緯がある。

 総工費およそ70億ドルと見積もられている、イランからインドへのガス・パイプラインの敷設プロジェクトは、インドと友好関係にあるロシアの企業が参入することで、より迅速にその第一段階を通過し、着工へと踏み切ることが可能となる。

■ヨーロッパ5社がイラン天然ガスの輸出を検討
 こうした中、ヨーロッパの石油・天然ガス数社は、総工費53億8000万ドルのパイプラインを一本敷設することを検討している。同パイプラインが敷設されれば、イランの天然ガスをヨーロッパへ輸出することが可能となる。
 
 オーストリアのOMVやハンガリーのMOL、ルーマニアのトランスガス、トルコの国営石油ガス・パイプライン輸送公社ボタス(Botas)、ブルガリアのブルガルガス(Bulgargaz)5社は、イランの天然ガスをヨーロッパへ輸出するパイプラインを敷設することを検討しているところだ。ナブッコ(Nabucco〔*〕)と呼ばれるこのプロジェクトは、総延長1980マイルのパイプラインの敷設を計画しており、完成すると、イラン北部で産出される天然ガスを、西欧や北欧へ輸出することが可能となる。

〔*2005年7月に報じられたニュースによると、石油・ガス大手MOLをはじめとする5カ国の企業が、「ナブッコ(Nabucco)」と呼ばれる、トルコとオーストリアを結ぶ天然ガスのパイプライン建設で契約を締結した。このパイプラインは全長3,400キロで、2011年に操業を開始する予定であるという。現在、天然ガスの供給元として、イランの他に、アゼルバイジャンやカザフスタン、トルクメニスタン、エジプト、イラク、シリアなどが候補に挙がっているとされる。〕

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( 翻訳者:柴田愛子 )
( 記事ID:1383 )