EU代表がトルコの交渉体制に疑問符(Milliyet紙)
2005年11月28日付 Milliyet 紙

■欧州委員会トルコ代表部クレッチマー氏がEU加盟交渉の体制について、「ババジャン氏が明らかにした体制の有効性について疑問がある。」とコメントしたことが議論をよんだ。

欧州委員会トルコ代表部ハンスイェルク・クレッチマー氏は、トルコの加盟交渉体制に不安を抱いている。クレッチマー氏は、コーディネーターとなる組織が作られていないことを批判し、チーフ交渉担当者のアリ・ババジャン氏が明らかにした交渉体制の有効性についてEU内では疑念がでてきていることを強調している。クレッチマー氏は、先週掲載されたインタビュー記事のなかで、EU加盟交渉過程における改革の状況、交渉体制および「トルコ軍の活動範囲」といったテーマで質問に次のように答えた。

■「トルコでの展開を間近で見ていらっしゃいますね。心配されている問題はありますか?」
「日常的な問題や、政治改革に関することです。このことが不十分であることはプログレス・レポートでも言及しました。表現の自由、女性の権利、信教の自由、文化的権利、南東アナトリアの発展といった問題があります。南東アナトリアについては、首相のハッキャーリ(イラク国境付近の町)視察によって取沙汰されるようになりました。勿論、加盟交渉が進むにつれて、そしてそれぞれの分野の整備を終え、実施段階に入ったときにも問題が出てくるでしょう。なぜなら、2004年にEU加盟した国々でも見られるように、このような変化への適応はそれほど容易ではありません。
 ここでトルコにとって重要なことは、一刻も早くヨーロッパの獲得したものについて、積極的な体制を整備し、実行に移すことです。ババジャン氏が明らかにした体制の有効性について我々は、いくつか疑問をもっている。このことを外務大臣とも話し合った。交渉体制が不十分という理由で効率が損なわれないことを我々は望んでいる。」

■「ヨーロッパの新聞報道で、トルコ政府がトルコ軍(TSK)を政治の場から遠のかせることに成功しているという論説を目にします。しかし、『軍に干渉してはならない。トルコの政教分離を保てるのは軍だけだ。』という人達もいます。つまり、現状は、昔のように白黒はっきりしたものではないのです。このことについてどうお考えですか?」
「この問題は別の様相も含んでいます。軍についての問題を政教分離以外の観点からも考えることが必要です。組織レベルで様々なことがなされていることは勿論知っています。しかし、実際は軍が政治上、重要な役割を負い続けていることを我々は目の当たりにしています。もちろん、これを軍は声明という手段で行っています。しかし軍の声明が結果的に政治の議論の場で影響力をもつのです。この観点から言えば、トルコ軍がEU諸国の中で通用する立場となるために、まだなされるべきことがあると思います。」


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( 翻訳者:堀ノ内 夏子 )
( 記事ID:1395 )