アフマディーネジャード大統領、バスィージを前に「敵」を厳しく指弾 シャルグ紙
2005年11月27日付 Sharq 紙

2005年11月27日付シャルグ紙2面

【ISNA】マフムード・アフマディーネジャード大統領は昨日、「偉大なる連帯」と題された《パルヴァーズィー・セペフル》での大規模集会で演説し、《バスィージ週間》の開催に際し、全バスィージ隊員、及びイラン国民に対して「バスィージが設立された神聖なる日に、全国のバスィージ隊員の友人たちとお会いできたことを、神に感謝いたします」と祝辞を述べた。

〔注:「バスィージ」とは最高指導者直属の精鋭部隊である「革命防衛隊」の下部組織で、学生など青少年を中心に組織された一種の軍事組織。「動員」の意で、「被抑圧者の動員」が正式名称。義勇兵、あるいは志願兵的存在として、イラン・イラク戦争時に年少の者たちを戦争に(正式な軍隊の枠組みから外れた形で)「動員」することを目的に結成された。現在では、麻薬や風紀の取り締まり、若者の軍事教練などを行っている。アフマディーネジャード大統領は、バスィージの元司令官で、大統領選では同組織を有力な支持層としていたといわれている〕

 アフマディーネジャード大統領は、《2千万人の軍隊を設立せよ》とのイマーム・ホメイニーの命令発布を記念する第26回記念を直前に控えて開催された集会において、次のように続けた。「今日、バスィージ文化は国の全ての行政組織に行きわたっている。バスィージの文化が我が国のあらゆる行政分野を支配していること、そしてイスラーム・イランの責任者たちが公僕であることを認識し、国民のために奉仕していることを誇りに思っていること、そして彼らが敵に対して果敢に抵抗し、国民のイスラーム的利益を守護していること、これらの事実を目の当たりにして、悪意をもった敵は国際社会の場において、怒りを露にしている」。

 大統領は続けて、次のように述べた。「あなた方が目撃している騒動は全て、このことが原因なのだ。彼らは20年ないしは25年間にわたり、イスラーム・イランの国民ならびに政府を、内部及び外部から破壊することを目的として、狡猾な企てを弄してきたが、しかしそれにもかかわらず、我が国民がいまだに力強く抵抗し、バスィージ文化に依拠して自らの立場を守り通しているという事実に直面している。われわれは我らが敵に対して、一言だけ言っておこう。イラン国民の誇りと意志、そして信仰心に対して、敬意を表してこうべを下げるべき時が来たのではないかね、と。われわれはあなた方〔敵〕に対して、次のように宣言する。イラン国民は、文化的で聡明で、尊敬すべき国民である。イラン国民は全人類に対して善意ある国民である。イラン国民は他の諸国民に対して、好意、慈愛、協力以外、何ものも求めてはいない。われわれは他の全諸国民と、同胞愛と公正の精神にもとづいた関係を求めているにすぎない」。

 大統領は次のように付け加えた。「イラン国民は他国の利益や領土に対して野心などもっていない。しかし、我が国民に対して悪意ある者たちが、我が国民の権利を損ない、侵そうとするならば、国民は全身全霊を傾けて、全世界を相手にしてでも、抵抗することになるだろう」。

 大統領はイスラーム・イランの敵に対して、次のように語った。「あなた方は何度も、我が国民がいかなる国民であるか、経験したはずだ。あなた方は皆、神をも畏れぬ圧制が支配していた時代〔革命前のパフラヴィー政権時代のこと〕に、イラン国民がこの偶像崇拝的抑圧体制を打ち倒して勝利を手にするようなことがないよう、ともに協力し合っていた。しかし、あなた方が全力を尽くしても、イラン国民の堅固な意志に抗することはできなかった。イラン国民は自らの力と誇るべき歴史によって、また若者とバスィージたちの努力によって、偶像崇拝的抑圧体制が支配する腐敗した国家に立ち向かい、国民の意志より発せられた国家を樹立することに成功した。あなた方は一致協力して、サッダームのような腐敗した人物に力を与え、最も大規模かつ卑劣な戦争をイラン国民に対して起こすよう、けしかけた。我が国民は、バスィージ文化によって、あなた方に抵抗し、自らの主権を保持した。今も、どのような領域であれ、口実を用いてイラン国民の権利を損なおうとするような挙に出るならば、我が国民は一致団結してあなた方に抵抗し、侵略者どもを後悔させるだろう。このことはよく理解しておいてほしい」。

 大統領はさらに続けた。「抑圧されし諸国民の富を掠奪し、人類史上最も重い罪を犯した、暗い過去を有する者たちが、今日人権ということばを口にしている。彼らは我らが国民と政府に対して、人権の旗を高く掲げているのだ。これほどの暗い過去を有するあなた方に、どうして人権を語る資格があろうか。アフリカ国民を掠奪し、破壊的戦争を諸国民に強要し、薬剤の禁輸によって毎日何千人もの人々を墓場送りにし、自国の工場を盛況にさせるために軍拡競争を煽っているあなた方に、人権を云々する権利はない。イスラエルのごとき腐敗した国家を支持するあなた方に、人権を語る権利はないのだ。人権を主張するとは、あなた方は一体何様のつもりなのか。あなた方は罪人なのだ。あなた方は、戦争犯罪人を裁く法廷で、裁きを受けるべきだ。あなた方は自国においては今日、警察官が望むままに、市民に対して銃を発射し、殺戮することを、自由の名の下で許可している〔*〕。あなた方は最も暴力的で最も独裁的な政府を、公然と支持している。あなた方は何の資格があって、人権を主張することなどできるのか。われわれはあなた方を告訴する。われわれには、あなた方が犯した罪の数々を列挙した長大なリストがある。われわれは、あなた方を辱めることになるだろう」。

 大統領は次のように付け加えた。「核の分野について、われわれは最初の一歩を踏み出したところである。ところがわれわれの敵は、われわれの活動に対して、怒り出した。それというのも彼らは、ちょっとした脅しや侮蔑でもって後ずさりしてしまうような連中に慣れてはいた〔が、イラン国民のように抵抗する国民には慣れていない〕からだ。今日われわれは、バスィージの文化と精神があらゆる分野で輝きを増しているのを目撃している。われわれがバスィージの文化と力をもって、国際社会と外交の分野に自らの存在を示し、交渉を行っているのを、彼らは目の当たりにしている。われわれの敵は、そのようなわれわれの力に対して、怒りを露にしているのだ。一言だけ彼らに言っておく。あなた方はわれわれの力に怒っているのだ。そんなことは分かっている。怒りたければ、怒るがいいだろう」。

〔*2003年にカナダ在住のイラン人青年が、カナダの警察官に射殺されたことを指すものと思われる。カナダは同年、イラン・カナダ二重国籍のジャーナリストであったザフラー・カーゼミー氏が官憲によって拷問死したとされる事件をめぐって、イランを厳しく非難、イランを人権侵害で国連に非難決議案を発議している。これに対してイランは、イラン人青年射殺事件でカナダの警官が無罪放免となったことを非難し、両国間関係は近年緊張した状態が続いている〕

〔後略〕

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:1398 )