イラクのイラン難民の一部はすでにイラクを出国:国連難民高等弁務官 ハムシャフリー紙
2005年11月29日付 Hamshahri 紙

2005年11月29日付ハムシャフリー紙

【社会部:ザフラー・ラフィーイー】〔今年6月15日に〕新たに就任した国連難民高等弁務官は、イラク在住のイラン難民〔*〕について、「一部の難民はすでにイランへ帰還しているが、一部には第三国へ移送された難民もいる」と述べた。
〔*イラクの中央部のアルターシュ・キャンプに暮らす約2000人のイラン系クルド難民をさしている〕

 一週間の日程〔正式には11月22日(火)から28日(月)の6日間〕でパキスタンとアフガニスタン、イランの三カ国を訪問したアントニオ・グテーレス高等弁務官は、その最終日に、「イラン難民の状況に何ら変わったところはない。自主的帰還に必要なあらゆる可能性を与えるにあたり、彼らが置かれている状況は、他の難民と比べて全く違いはない」と語った。

 同高等弁務官は、イラン難民に関する統計的情報は、いまだ得られていない旨指摘した上で、「われわれは、イラン難民をイラクのアルターシュ・キャンプからイランに帰還させようと努力しているところだ」と述べた。

 国連難民高等弁務官は、アフガン難民の帰国を阻む基本的な障害として、アフガニスタンにおける誘因の欠如を指摘し、次のように述べた。「生計を立てたり、保健衛生や教育を享受するのに適した環境が欠如していることが問題だ。アフガニスタン政府は、それらを整備する必要がある。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は、適当な解決方法を見出すべく、アフガニスタン政府と協力して、文書の策定を行っている最中である。この文書は来年1月のボン会議にて提示される予定だ。われわれは国際社会に対して、アフガニスタン政府が1月に発表する予定の戦略プランを支持するよう求める」。

 アフガン難民とイラク難民を対象とした帰還事業で、UNHCRがイランに割り当てている予算に関して、本紙の記者が質問をしたところ、同高等弁務官は、「UNHCRは、アフガン難民が自発的にイランから離れるよう促進するための予算を削減するつもりは全くない」と答えた。

(後略)

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( 翻訳者:柴田愛子 )
( 記事ID:1403 )