Güngör Uras コラム:公正発展党の成果か、幸運か-単独政権3年間の経済評価(Milliyet紙)
2005年11月03日付 Milliyet 紙

今日はバイラム(断食明けの祭)だ。イスラーム教徒にとって大切な日であり「私はイスラーム教徒のバイラムを祝う」。
また今日は公正発展党(AKP)にとっても重要な日である。2002年11月3日に行われた選挙で、AKPは単独政権を樹立し得る票を獲得したのであった。当政権にとって、今日は3周年記念日である。政党はなぜ設立され、なぜ選挙に参加し、なぜ政権獲得を望むのか?国を発展させるためなのか、はたまた国民を幸福にするためなのか...
では、いかに国は発展し、いかに国民は幸福になるのだろうか?投資が行われ、生産が増加する。人々はまず仕事を見つけ、その後生産の増加により収入が増加する。経済が拡大し、人々の収入も増加する。
それにしてもAKP政権は過去3年で「国民の繁栄や幸福を増進するために何をしたのか?」。仮にAKPが国民にとってよいことをしたのであれば、国民はこのシェケル・バイラム(砂糖祭)を幸福感に包まれて祝っていると考えられる。国民にとってAKP政権の成果を測る尺度は、3年前と比較してよりよい生活条件を手に入れたか否かである。

■解決すべき問題が山積
AKPは3年前、“バラの花園にある(バラ色の)”国ではなく、多くの問題(に満ちた国)を引き継いだ。しかし幸運に恵まれ、それを利用もした。幸運とは政権誕生前から準備され、外国から支持を取り付けていた安定化プログラムの実施であった。AKP政権はこのプログラムを発足と同時に実行に移した。国外の資金の潤沢さも大きなチャンスを生み出した。
国際通貨基金(IMF)が支援する安定化プログラムの目標は、緊縮財政・金融政策による国内の収入と支出の縮小と、インフレの抑制であった。国内の収入と支出が縮小すると、拡大の唯一の方法は輸出となる。輸出の拡大は、(1)労働者の賃金上昇の抑制か、(2)生産の増大に依拠する。AKP政権はこの2つの課題でも成功を収めた。
しかし、外国為替の固定化は輸出の増加を阻む一方、輸入の増加と外貨需要の増大を招いた。結果として投資や生産は期待したほど拡大せず、失業問題が発生し始め、外貨需要が拡大した。
このようなマイナスの側面にも関わらず、IMF支援プログラムに基づく高利子率・低為替レートを目標とする経済政策の結果、まずインフレが、後に利子率が低下した。
こうした経済情勢の一方で、IMF支援プログラムの求める構造改革も大部分が実現した。

■愛憎相半ば
AKP政権の3年間で、世界の経済状況は財政的にも政治的観点からもトルコに有利に働いた。トルコは、地理的位置と世俗主義の枠組みにより、国外で「価値が上がった」のである。「愛憎相半ばする」国の実例であるトルコは、西洋でも東洋でも多くの議題に上った。EUへの加盟交渉開始や、西洋と東洋の資本がトルコにより多くの関心を向けるようになったことは、プラスの側面である。
さてここで一つの疑問が生じている。マイナス面の罪をAKPに負わせるのは簡単だが、プラスの面、すなわち3年間のAKP政権期に「トルコが世界で株を上げた国の一つになったこと」は、AKPの成果なのか、それともただの幸運なのか?
それを決定するのは国民である。国民は政府を働きぶりとその成果を見ながら評価する。このバイラムの日に(私が何を書いたかは重要ではない)、国民が3年前と比較してより幸福になったのであれば、AKPの3年間が実のあるものであったことを意味する。

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( 翻訳者:幸加木 文 )
( 記事ID:1228 )