アナン国連事務総長のイラン訪問、中止へ シャルグ紙
2005年11月06日付 Sharq 紙

【政治部】《コフィー・アナン国連事務総長のイラン訪問、中止になる》 このニュースは昨日、国内外の記者が退席しようとする中発表された。アナン国連事務総長は木曜日、「イラン訪問の予定に変更はなく、最終決定された」と発表していた。それにもかかわらず、国連事務総長の訪問は昨日、中止されることとなった。

アナン国連事務総長によるイラン訪問が発表されたのは、《シオニズムなき世界》と題した集会におけるイラン・イスラーム共和国大統領マフムード・アフマディーネジャード氏の[イスラエルは地図から抹消されるべきだという]発言が、国連も含め世界に大きな反響を呼び起こした後であった。国連事務総長はイラン大統領の発言に対する声明において、この内容は懸念を抱かせるものだ、と語った。そしてアナン氏は、ドイツ・フランス・イギリスのヨーロッパ各国やロシアといった、自国のイラン大使を呼び出し[抗議するという]措置を取り、同大統領の発言が懸念を呼ぶもので決して受け入れられないと表明した国々と同じ立場を取り、声明の中でイランに対し、国際連合の正式加盟国の一員の義務として、力で他国を威嚇すべきではない、と述べた。アナン事務総長その後、この問題のことでイランを訪れるだろう、と述べた。

もちろん同氏の訪問には、間もなく始まる国際原子力機関(IAEA)理事会の秋の会議においての、イラン核計画に関するイラン当局者との会談という別の目的もあった。しかしながら国連スポークスマンは昨日、予定されていたアナン事務総長のイラン訪問は、現状では中止が好ましいということで事務総長とイランが合意した、と発表した。

ISNA(イラン学生通信)の報道によると、[国連事務総長スポークスマン]ステファン・ドジャリク氏は、今はアナン事務総長イラン訪問に適切な時期ではなく、さらに現在の議論の流れでは、事務総長がイランの関係責任者との交渉を望んでいる事柄について話を進めることは難しいだろう、と語った。もちろん、これがアナン事務総長のイラン訪問中止の全ての原因でないのは明らかである。報道によると、アナン事務総長は先週の間、テヘラン訪問中止を求めるアメリカやヨーロッパのメディアからの圧力にさらされていた。アナン事務総長のイラン訪問中止が国連から発表される前日、同事務総長は報道陣の前で、米国議会の代表者の一人がイラン訪問に関して見直しを要請したと述べていた。

ロイター通信も、来週フランスや中東・北アフリカ諸国の定期訪問後に予定されていたアナン事務総長のテヘラン訪問が中止されたことに言及し、これはイラン大統領がイスラエルに対する発言でとった立場に対する一つの返答だ、と表現した。この報道によると、アナン事務総長はイラン政府の核政策について当局と会談を行うことになっていた。

しかし一方で、アナン事務総長のイラン訪問中止はイラン外務省が要求したものだという話もある。この情報によると、アナン事務総長に対する国際的な圧力の軽減と中東問題に関する同事務総長の安定した活動を手助けすることを目的として、イラン側はこの公式要請を出した。IRNA(イラン国営通信)の報道によると、外務省情報筋はアナン事務総長のイラン訪問中止がイラン側の要求によるものであったことを認め、同事務総長のイラン訪問の中止あるいは延期について発表される以前に、イラン国連代表が同事務総長に対し、イラン訪問のより適切な時期での実現を要請した、と語った。同情報筋はまた、アナン国連事務総長のイラン訪問予定の変更は、中止を求めて同事務総長に対し圧力をかけた西側メディアの要求とは無関係である、と述べた。

国連の情報伝達局は金曜、アナン事務総長は来週にかけてフランス、エジプト、チュニジア、サウディアラビア、パキスタンを訪問し、中東和平をより推し進めるつもりだ、と報じた。これによると、アナン事務総長はこの定期訪問中、[エジプト大統領]ホスニー・ムバーラク氏、[フランス大統領]ジャック・シラク氏、アラブ連盟事務局長アムル・ムーサー氏との会談を予定している。もう一つの予定としては、サウディアラビアの訪問と、シリアに関して、特にダマスカスとの衝突に対する国連安全保障理事会の決議について、同国政府と行う会談がある。しかしこれらにもまして、イラン訪問とテヘラン高官らとの会談はアナン事務総長の重要な予定のひとつであった。

国連事務総長はこの中止発表の前、テヘラン訪問中に地域的・国際的な重要問題についてイラン・イスラーム共和国当局と意見交換することに対し、意欲を見せていた。しかし国連事務総長のイラン訪問は最終決定されていたにも関わらず中止され、国連スポークスマンによると、別の時期に延期されることとなった。





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( 翻訳者:北川晃久 )
( 記事ID:1252 )