欧州委員会、プログレスレポート、加盟パートナーシップ文書(KOB)を承認(Hurriyet紙)
2005年11月09日付 Hurriyet 紙

欧州委員会は、トルコの年次プログレスレポートと短・中期目標が記載された加盟パートナーシップ文書を今日の会議で承認し、メディアに公開した。またEU拡大についての一般戦略文書とバルカン諸国に関するレポートも公表した。

欧州委員会のオッリ・レーンEU拡大担当はブリュッセルでの記者会見で、トルコのプログレスレポートと加盟パートナーシップ文書について、EUの見解を述べた。レーン氏はトルコに関する講評のなかで、プログレスレポートにはトルコが抜本的改革を実施しているとの指摘があると述べ、コペンハーゲン基準も守られていると続けた。

レーン氏は、改革実践面で今年は減速が感じられたことにも言及し、新たな努力の必要性を説いた。

■「改革にくらべると履行は進んでいない。」
オッリ・レーン氏は、短・中期に達成が望まれる項目があり、そしてそれらを文書に明記したと説明した。そして1-2年以内に解決が望まれる短期目標を例にとり、拷問については全く容認できないこと、そして不逮捕特権の問題、思想と報道の自由、非ムスリム団体の権利、女性の権利、団結権に関して意見を述べた。
オッリ・レーン氏は、トルコ経済にみられる発展が欧州委員会に「歓迎された」ことを述べた。また、トルコはかなり大胆かつ重要な改革を行ったこと、しかし2005年にはその改革が減速したこと、また改革ほど履行が進んでいないことを語った。

■「公平かつ中立的に評価した」
レーン氏はプログレスレポートでは公平かつ中立的にさまざまな視点から評価したと述べた。思想の自由、拷問反対運動、女性の権利といった問題については前向きな発展がみうけられるものの、諸分野で改革を実践する際にいくつかの問題がでていると述べた。

レーン氏は特に人権に関して、トルコがEU基準に十全に順応し、あらゆる場所・分野で真の法治国家となることが期待されていると述べ、人権に関する基準は変更できないことをトルコ政府と世論に伝えたと語った。

■作家オルハン・パムク
先のインタヴューによって作家のオルハン・パムクが起訴されたことを取りあげ、この件に関して法律の改革が必要だと説いた。

■加盟パートナーシップ文書(KOB)
加盟パートナーシップ文書には、短・中期で実現する必要のある優先項目が並べられたと説明し、それらの項目を次のように説明した。

・拷問および非人道的な取り扱い
「トルコは拷問と非人道的な取り扱いを認めない政策に従って、欧州人権条約の枠組みで必要な改革を行うこととする。EUの提案に留意することとする。」

・表現・報道の自由
「欧州人権条約ならびに欧州人権裁判所規則に沿うかたちで、暴力を含まない思想を表現したために投獄された者たちの状況を見直す必要がある。オルハン・パムクもこのケースに含まれる。これはトルコで一般に新聞記者がさらされている状況である。」

・集会・結社の自由
「集会・結社に関する新法が必要だ。非ムスリム少数派の状態は重要である。集会・結社がEU基準で行われる必要がある。」

・女性の権利
「トルコ刑法ならびに民法における家族の保護に関する法令は、女性の権利に関して改善される必要がある。」

・団結権
「団体交渉権の付与等に関しては、団結権がEU基準に引き寄せられる必要がある。」


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( 翻訳者:塚田 真裕 )
( 記事ID:1262 )