大統領、シオニスト体制について再び発言 シャルグ紙
2005年12月10日付 Sharq 紙

2005年12月10日付シャルグ紙1面

【政治部】イスラーム諸国首脳特別会議に出席するためにサウジアラビアを訪れているマフムード・アフマディーネジャード大統領は、インタビューの中で、「ユダヤ人大虐殺を真実として受け入れることはできない」とした上で、「仮にこの出来事が真実であるとして、ヨーロッパ人が本当のことをいっているのであれば、彼らはヨーロッパ自体のどこか、例えばドイツやオーストリア、その他の国の一部の地方をシオニストたちに与え、シオニストたちはそこで自らの国家を樹立するべきだ」との提案をした。

 「あなた方はヨーロッパの一部を割譲すべきだ。そうなれば、われわれはそれを支持するし、彼らの政府に反対するようなスローガンを叫ぶようなことはしない」。アフマディーネジャード大統領のこの発言は、ただちにドイツ、およびオーストリア両国からの批判を呼び起こし、両政府は両国に駐在するイラン大使を招致する事態となった。

 イラン学生通信(ISNA)の報道によると、大統領のインタビューでの発言は次の通りであった。

 「われわれが生きる世界には今日、パレスチナと呼ばれる地域が存在する。この地域では毎日、子供たちや女性など、様々な罪なき人々が命を奪われ、何百万人というパレスチナ土着の人々が何十年もの間、難民として暮らしている。子供たち、女たち、男たちは自らの家を侵略され、砲撃や爆撃によって屋根のない生活を強いられている」。

 さらに続けて、次のように述べた。「これに対し、次のように問うことができよう。すなわち、何をしなければならないのか?なぜ50年間の努力にもかかわらず、報われないのか?そして、今日パレスチナにおいて占領国家として支配している者たちは、一体誰なのか?彼らはどこから来たのか?どこに生まれた者たちなのか?彼らの父親たちはどこに住んでいたのか?彼らはパレスチナに何らのルーツも有してはいない。にもかかわらず、彼らはパレスチナの命運を自らの掌中に収め、土着の者たちを難民化させてきたのだ。自らの将来に対する自決権というのは、国連憲章の原則の一つではないのか?なぜパレスチナ国民については、この権利が奪われてしまうのか?

 一部のヨーロッパの国は、ヒトラーが何百万もの抑圧されしユダヤ人を、人間焼却炉の中に入れて焼き殺した、と言い張っている。彼らはこのことに固執するあまり、それに反するようなことを証明しようとする者たちに有罪宣告をし、投獄している。われわれはこのような主張を受けいれはしないが、しかしこのことを正しいと仮定しよう。その場合、われわれがヨーロッパ人に対して問いたいのは、次のことだ。すなわち、ヒトラーによる被抑圧ユダヤ人の虐殺は、エルサレム占領体制を彼らが支持する理由となりうるのか、ということだ。もしヨーロッパ人たちが言っていることが真実であるならば、彼らはヨーロッパ自体のどこか、例えばドイツやオーストリアその他の国の一地方をシオニストたちに与え、シオニストたちはそこに自らの国家を樹立するべきだ。あなた方はヨーロッパの一部を彼らに分け与えるべきだ。そうなれば、われわれもそれを支持するし、シオニストたちの政府に反対するようなスローガンを叫ぶこともなくなるだろう」。

 大統領は、イランはシオニストとユダヤ教徒とを分けて考えているとした上で、次のように述べた。「世界のユダヤ教徒はパレスチナを支持している。70年前の地図には、シオニスト体制という名の国は存在しなかった。ムスリム、キリスト教徒、ユダヤ教徒、その他の宗教を信仰する者たちからなる、パレスチナ土着の全人民による国民投票によって、彼らの将来に対する考えを彼らから聞くべきだ、というのがわれわれの意見である。そうすれば、彼らがそこでどのような決定を下そうと、それは全人類の承認するところとなるであろう。これこそが、最終的かつ民主的で、国際社会の基準に則った解決方法であろう」。

〔後略〕

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:1493 )