イラク国内のクルド勢力、選挙を前に北部クルド地域の境界線見直しを訴える(Milliyet紙)
2005年12月13日付 Milliyet 紙

メスード・バルザニが党首を務めるクルド民主党(KDP)やジャラール・タラバーニーが党首を務めるクルド愛国者同盟(KYB)を含む9政党で構成される「クルディスタン同盟リスト」の選挙公約は、「イラク北部クルド地域の境界線を引き直すこと」を盛り込んでいる。イラクで12月15日に行われる選挙に参加する政党の一部は、安全面への配慮から候補者を公表していない。一方クルド人は候補者リストと選挙公約を印刷し、地域の一般の人々に配布した。イラク全土で出馬する「クルディスタン同盟リスト」は、シーア派の街であるナジャフ、カルバラ、バスラといった地域でも選挙活動を急いでおり、シーア派、アラブ人、そしてクルド人からの票獲得に努めている。

 「クルディスタン同盟リスト」の選挙公約には、「選挙後イラク北部クルド地域の境界線を引き直すこと」のほか、次のような項目が列記されている。

・イラク憲法上の全ての条項、特に国民の権利と要求に関する条項の施行および承認。
・キルクーク、ハネキン、マフムール、ズムマール、シェンガルそして全てのアラブ化された都市や街がクルド地域に返還されるために第58条の施行。(第58条では、崩壊したイラク元大統領サダム・フセインの政権下で、故郷から出てきていたクルド人とトルクメン人が故郷に戻ることを想定する取り決めが含まれている。)
・歴史的、政治的そして地理的な現状に沿うかたちで、クルド地域の地理的境界線が確定され、承認されること。
・クルド地域市民のための法的機関、すなわち地域政府と議会、および裁判官とクルド軍が増強されること。
・イラク全土のトルクメン人、シリア正教徒に対し、国民的、政治的、文化的、そして行政的権利の全面的な保護の継続。

■キルクークに「選挙邸宅」
クルド人達は、キルクーク郊外で住宅建設を急ピッチで進めた。イラクで15日に行われる総選挙を前にクルド人達は、キルクークへの定住を急いだ。街のはずれの街区や開発用地では、次々と基礎工事が行われ、大急ぎの建設活動が目立っている。クルディスタン愛国者同盟とクルド民主党は、キルクークをクルディスタン地域連邦に加える方向での活動を強化している。クルド統治陣営は、様々な地域からキルクークにやって来る家族達に援助の手を差し伸べている。


Tweet
シェア


現地の新聞はこちらから
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:倉本 さをり )
( 記事ID:1502 )