世界的詩人ナーズム・ヒクメトのトルコ国籍剥奪取り消しに希望(Milliyet紙)
2005年12月25日付 Milliyet 紙

 詩人のナーズム・ヒクメト・ラン氏のトルコ国籍剥奪に関する1951年7月25日付けの決定が2002年3月8日に内務省によって住民台帳に記録されたことに関して、弁護士のケマル・イネボル氏が行政裁判所に取り消しを求めた。国籍はヒクメト氏に属する権利の一つだとする行政裁判所第10議会は要求を退けた。

 決定に対して控訴しているイネボル氏は、1951年のことがらが51年後になって記録されることは法に反しており、法的には1963年に生涯を終えたヒクメト氏の死後制定された事項は裁判監査の範疇にないことを強調した。
 イネボル氏は、このような世界的芸術家の死後に行なわれる違法な決定は知識人たちの間で反発をまねくと言っている。
 行政裁判所総本部もまた、第10議会の決定を反対多数で否決した。
 この決定の際、ナーズム・ヒクメト氏がトルコ世界および20世紀の世界文学界におけるもっとも偉大な詩人の一人であることが強調された。ユネスコによる詩人の生誕100周年記念で2002年はナーズム・ヒクメト氏が選ばれたこともこれを裏付けているとした上で、「ナーズム・ヒクメトはトルコ国民、さらには東洋の人々の詩に大きな影響を与え、詩の新しい道を築いた」と評価された。
 また、ヒクメト氏は過去においても、また後世も生き続ける古典詩人であることから今回の申請をした弁護士の今日における功績も強調された。

 一方、申請を退けた第10議会は、根本的なところから検討をしなければならなくなる。行政裁判所の第10議会が申請を退ければ、書類はふたたびヒクメト氏を「世界的詩人」と評する行政裁判所総本部へ送検される。そこで行政裁判所総本部が第10議会の決定を否決すれば、ナーズム・ヒクメト氏のトルコ国籍は死後42年になって復活の可能性が生まれる。



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( 翻訳者:湯澤 芙美 )
( 記事ID:1584 )