セゼル大統領:トルコでの男女差別はまだ続いている(Radikal紙)
2005年12月05日付 Radikal 紙

セゼル大統領は「女性を男性の下とする思想の排除は、教育によって、そして近代的価値観の構築によってのみ可能となる。」と述べた。


セゼル大統領は、先週、ビナリ・ユルドゥルム運輸大臣と夫人が別のテーブルで食事をする光景が報道されたことで再燃した『女性のアイデンティティー』に関する議論に加わった。昨日、セゼル大統領はトルコ人女性の参政権獲得71周年のための声明を発表し、次のように述べた。「女性を男性より下とする思想の排除は、教育によって、そして近代的価値観の構築によってのみ可能となる。」と述べた。セゼル大統領は声明を以下のように続けた。


■共和制の重要性
「人々が平等に権利を有するという考えは現代文明の基礎である。民主主義はさまざまな差別を撤廃し、基本的人権と自由を法の下で保護する。
崇高なるアタテュルクは、現代文明の価値と概念すべてを共和制とともに導入した。そして改革を行い、社会生活のすべての場に平等のための根本的変化をもたらし、自由で参加型の統治体制をつくった。


■アタテュルクの言葉からの引用
トルコ人女性への参政権付与は、この一連の動きの中で実現された改革的進歩のひとつである。我が国を明るい明日へと導くこの歩みは、何百年間も女性を無視し権利を与えなかった時代遅れな考えを排除した。そして改革によって女性を男性と同等の条件で公的な場に参加できるようにした。
 アタテュルクは、女性があるべき地位に到達するために大変奮闘し、1934年には女性参政権付与のための憲法改正に関連して、次のように考えを述べた。
 『この決定は、他国に先駆けて、トルコ人女性に社会的・政治的な活躍の場を与えるものである。スカーフやチャドルをつけ、窓格子(カフェス)の後ろに身を隠したトルコ人女性は、過去の歴史の中でのみ見られるようになるだろう。トルコ人女性は、家庭において文明的地位を占め、ビジネス・ライフのどの場面においても成功をおさめてきた。
 政治の世界では市政選挙で経験をつんだトルコ人女性は、今回は国会議員を選出する、または自身が立候補するという最大の権利を獲得したのである。今日、文明国家の多くで女性に与えられていないこの権利を、トルコ人女性は獲得しているのである。トルコ人女性はこの権利を能力と可能性をもって行使していくだろう。』


■「国会における女性議員の割合は低い。」
 今日、女性国会議員の割合は、スタート地点のことを考えると非常に低い。女性は経済・社会生活への参加、そして決断過程においてよりダイナミックな役割を担うべきであり、政治世界ではより多くの女性が国民の代表となるべきである。トルコおよび世界において学問から政治へ、官僚から司法にいたるまで、全ての分野で成功裏に仕事を進めるトルコ人女性の存在は、彼女達の力を全ての人に示している。優秀な女性の数を増やすこと、彼女達の力を利用することが国の発展を促進することだろう。ただし、これら全ての望ましい発展の一方で、いまだ女性の権利について進めなければならないことが存在するのも否定しがたい事実である。


■「差別を防がなければならない。」
 教育不足や社会・文化的理由で男女差別が続いているところでは、女性達が法によって保証された権利を行使することは、圧力によって妨害されている。
 男児に教育を受けさせる一方、教育の場から退けられている女児達を保護しなければならない。彼女達に現代教育の可能性を提供し、最良の環境で成長を保障しなければならない。女性を男性の下とする思想の排除は、教育によって、そして近代的価値観の構築によってのみ可能となる。

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( 翻訳者:堀ノ内 夏子 )
( 記事ID:1444 )