イラクのスンナ派エル・ハシミ氏と駐イラク米大使がイスタンブルで会談(Milliyet紙)
2005年12月05日付 Milliyet 紙

イラクの選挙に参加しなかったサダム派組織とは別のスンナ派と、アメリカの関係者がトルコを介してイスタンブルで会談した。会談は、駐イラク米国大使のザルマイ・ハリルサド氏も参加して行われた。12月15日に行われる選挙へのスンナ派グループの参加がもっとも重要な議題となった。
 イラク戦争勝利のために不可欠なイラク市民の支持を獲得したいという米国の方針にそって、米国関係者はイラクの4つのスンナ派アラブ人グループと会談した。ハリルザド駐イラク米大使は、イラク、米国の両国が秘密裏に準備した会談へ一昨日の夕方に加わった。トルコのアブドゥッラー・ギュル外相とハリルザド駐イラク米大使、そして4つのスンナ派組織を代表するイラク・イスラーム党のタルク・エル・ハシミ事務局長は、昨日、コンラド・ホテルで会談に関してコメントをした。

■「スンナ派は選挙に参加すべき。」
 ギュル外相は、12月15日にイラクで選挙が行われることを述べ、さらに先日、憲法国民投票が行われたこと、これをもとにして議会が形成されることを指摘し、次のように続けた。
「この議会がイラクを再構築していくことになる。イラクが再構築される時には、イラクを構成する全ての人々がこの再構築に正当に関わる必要がある。先日の選挙、国民投票では、いくつかの組織、とくにスンナ派組織が参加しなかった。参選しなかったこれらの組織が、今回の選挙には参加し、政治の場で意見を述べ、イラクの新国家構築に役割を担う必要がある。」
ハリルザド駐イラク米大使は、イラクにある全ての組織が次回の選挙に参加することに対して、米国ができる限りの努力をする決意があることを述べた。

■イラクに常設基地は考えていない
ハリルザド駐イラク米大使は、会談では選挙に関する事柄、米国の対イラク政策に触れられたことを述べ、次のように続けた。
「イラクが一刻も早く自力でやっていけるようになることを願っている。この実現に最初に必要なことは、イラクを構成する主要グループ、すなわちスンナ派アラブ人、シーア派アラブ人、クルド人が今後の道筋について協働と合意に至ることである。」
ハリルザド米大使は、イラクで常設の軍事施設を設立することは考えていないと述べ、「戦争を乗り越えたイラクは、世界の今後という視点においても、また意義深い大中東拡大構想の成功という視点においても、非常に重要な国となる。」と話した。
ハリルザド米大使は、昨日約300人のイラク人捕虜が解放されたことも付け加えた。

■米国はイラク撤退日程を明らかにせよ
 タルク・エル・ハシミ氏は、アメリカがイラク撤退に関する日程を明らかにすること、この日程についてはイラク軍設立と関連づけて欲しいと述べ、次のように続けた。「我々は意見と要望を明確に述べた。大規模な軍事行動が一刻も早く終了することを願っている。なぜならこの軍事行動により、毎日多くの罪のない人たちの命が奪われているからだ。」
ハシミ氏は、自らがイラクのスンナ派社会の代表であると述べ、次のように続けた。
「これから12日以内に実施される選挙へ参加したいと我々も思っています。我々は次期議会で議員となり、政府の一部になりたいと思っている。そして政治的過程のなかで我々にふさわしい特別な役割を担うことを望んでいる。しかし、これら全てのことを成し遂げるためには、まずこれにふさわしい環境をつくる必要がある。米国政府が我々の不安や意見を完全に理解しない限り、この目標にはどれひとつとして到達できないだろう。」


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( 翻訳者:坂 泉穂 )
( 記事ID:1445 )