石油開発に関する契約形態を改正する動き ハムシャフリー紙
2005年12月06日付 Hamshahri 紙

2005年12月6日付ハムシャフリー紙

【経済部】現在石油相代理を務めているヴァズィーリー=ハーマーネ氏は、日曜日に国会に対し石油相候補として推薦された際に、「イランの石油・天然ガス開発計画において、《バイバック》や《海外融資(ファイナンス)》といった契約形態は、もはや受け入れられない」との見方を示した。しかし同氏は、それらの代替案を提示することはなかった。その一方で、セイエド・マフディー・ミールモエッズィーNIOC(イラン国営石油会社)代表取締役は昨日、「バイバック契約の改定についての草案を作成したところである」と述べた。同代表によると、この措置は油層の採収率上昇と外国資本の誘致促進が目的であるという。

 同代表は、油層の採収率を30%にまで上昇させるというNIOCの目的を指摘した上で、「石油分野で活動している企業に対し、油層採収率を上昇させることへのインセンティブを与え、この目的を達成させることが、バイバック契約改定を目指している主要な理由のひとつである」と語った。

 同代表は、外国の石油開発企業は生産参加型の契約の締結を望んでいると指摘した上で、「しかし、このような契約は、イランでは不可能である。というのも、法的に禁止されているからだ。これに対し、われわれは現在、石油開発契約を改定することで、様々な可能性を模索しているところである。請負業者が1バレル採掘するごとに見返りを与えるなどの手法を検討し、さらにはサービス契約を請負業者との間で締結するための様々な方法を活用していきたい」と述べた。

 ミールモエッズィー代表取締役は、「われわれが掲げる目標の一つは、油田寿命が第二段階に入り、原油採掘量が減少した油田に関して、新たな契約を締結・活用することである。このような方法によって、採掘量の回復、国内石油生産量の増加が見込まれよう。また、国内外の石油開発企業の能力を最大限に生かし、最新技術を活用することで、地下に眠る油層の採掘も可能となるだろう」と強調した。

 エネルギー研究所のフォーラムに出席したミールモエッズィー代表取締役はまた、《石油マフィア》の問題について、「石油産業に従事している者たちは、イラン国民とイラン政府に対して忠誠を尽くしている。そのような者たちにさまざまな非難を加えることは、国民との間に不信を植え付けることになりかねない」と語気を強めた。ミールモエッズィー代表取締役は、たとえそのような非難すべき事実が存在するとしても、それに関する事実がはっきりとしない限り、世論に漏らすべきではない、と語った。

 同代表取締役は、アーザーデガーン油田の問題をめぐって、日本側との間で意見の相違が生じている原因について、一部の価格の変更に起因するものであるとの見方を示し、「この問題について日本側と合意を得るためには、より高いレベルの当局者間で決定を下す必要がある」と述べた。
 
〔*「バイバック」や「採収率」に関しては、http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/newsdata/News20051020_1124.htmlを参照願いたい〕

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( 翻訳者:柴田愛子 )
( 記事ID:1457 )