インド石油相の発言に対するザンギャネ石油相の反応:シャルグ紙とのインタビューで
2005年06月08日付 Sharq 紙

6月8日シャルグ紙1面

【経済部:レザー・ザンディー】イランの天然ガスが、パキスタンとインド両当局を交渉の席につかせた。〔協議開始から〕10年を経てついに、パキスタン石油省は公式の声明の中で、インドがイランとパキスタンの天然ガス輸送パイプライン計画〔イランからパキスタンを経てインドに天然ガスを輸送するパイプライン敷設計画〕ヘの参加に前向きの姿勢を表明をした、と発表した。インドのマニ・シャンカル・アイヤール石油相はイスラマバードを訪問し、パキスタンのアマーヌッラー・ジャドゥーン石油相と記念写真を撮り、さらにパルヴィーズ・ムシャッラフ政権のショウカット・アズィーズ首相とは手に手をとって握手した。この訪問の後、パキスタン首相は声明を発表し、パイプラインのルートや敷設費用、技術上の問題といった、インドへのイラン天然ガス輸送パイプライン敷設計画の詳細につき、パキスタン・インド両国で策定作業を進めるよう求めた。インド石油相もまた、「パキスタンを経由したインドへのイランのガス・パイプライン建設作業が、西暦で来年初頭にも始まると確信している」と述べた。パキスタン・インドの関係正常化を支持するインドの政治家の一人であるアイヤール氏は、先週の木曜にパキスタンへ訪問し、金曜の夜にテヘラン入りする予定である。

■国会エネルギー委員長、驚くべき見解を表明
 昨日、まさにイラン、パキスタン、インドの3カ国の10年にわたる努力が成果を生みつつある状況下で、国会のエネルギー委員長は驚くべき態度を示した。イランは、自らの「ソルフ(平和)パイプライン」〔注:イラン-パキスタン-インドへとつながるガス・パイプラインが、長年のインド・パキスタン紛争を終焉させることにつながるとの期待から名付けられた名称〕とによって、インド亜大陸における戦略的プレーヤーとしての役割を演じている。ところが、キャマール・ダーネシュヤール委員長は、マニ・シャカル・アイヤール氏のテヘラン訪問の3日前、「ガスの輸出を阻止しなくてはならない。なぜなら、ガスの輸出に関わる契約はどれも、イランにとって損失となるからだ」と語ったのだ。これに対して、石油省国際問題担当次官は反対の立場を示した。「もしサウスパールス・ガス田を〔カタールのノースフィールド・ガス田と地下で〕共有していないのであれば、おそらくガスの掘削及び輸出は急ぐべきではないだろう。しかし、〔実際にはサウスパールス・ガス田はカタールのガス田と地下でつながっているので〕掘削しなければその分だけ、天然ガスはライバル〔カタールのこと〕のものとなってしまうのだ」。これに対してキャマール・ダーネシュヤール氏は、「もし産出されたガスが正しく用いられているのであれば、ガス輸出をめぐる議論が提起されることなど決してないはずだ。1日当たりの6億立方メートル分のガスが不足しているというのであれば、それは、ガスは輸出されてはならないということを意味しているのだ」と自らの見解を正当化している。

■ザンギャネ氏 「輸出もするし、投資もする」
 当紙は、2006年初頭にも「ソルフ(平和)パイプライン」の建設を開始するとのインド石油相の最近の発言に対するザンギャネ石油相の立場をうかがった。これに対しザンギャネ石油相は、「アイヤール氏は希望を表明しただけである。当方は、パキスタンで行われた協議に関する正確な情報は得ていない。テヘランでの交渉を待たなければならない」と述べた。

 西暦で来年から「ソルフ(平和)パイプライン」の建設が開始される可能性はあるか、との問いに対しては、同石油相は「この計画には、解決しなければならない政治的問題が存在する。ぬか喜びをしてはならない。アメリカはこの計画が実行されることを快く思っていないし、圧力をかけてくる可能性もある」と答えた。

 「インド石油相及び次官は、インドはアメリカの圧力には屈しないと述べているが」との問いには、「恐らくアメリカも、激しく反対してくることはないだろうが、彼らの圧力は計画全体に対するものになるだろう」と同石油相は答えた。国会エネルギー委員長のガス輸出に関する発言に対して、どのように考えるか、ザンギャネ石油相にうかがったところ、同石油相は「われわれにはガスの輸出を進めることが可能であり、同時に油田への投資も可能だ、というのが私の考えである」と答えた。ザンギャネ氏の考えによれば、もし「ソルフ(平和)パイプライン」の建設が大々的に宣伝されるようなことがあれば、アメリカを再び計画反対へと刺激させかねないという。アイヤール石油相のイスラマバード訪問後、インド・パキスタン両国の石油相をテヘランに招待する可能性があるか、ザンギャネ石油相に尋ねたところ、「すでに申し上げた通り、十分政治的背景が整う必要がある。両石油相を招くというだけでは十分とはいえない」と答えた。

Tweet
シェア


現地の新聞はこちらから

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:高橋靖子 )
( 記事ID:180 )