「スカーフがトルコ社会を分裂させている」(Hurriyet紙)
2005年05月23日付 Hurriyet 紙

海外のメディアでスカーフがトルコ社会を分裂させているという解説がなされた。ル・フィガロ紙は、欧州人権裁判所のテロ組織PKKの指導者アブドゥッラー・オジャランに関する決定が、民族主義者と軍部を非常に苛立たせていると記し、「これに対しては政府側からひじょうに冷静な対応があった。しかしスカーフ問題になると事態は完全に逆になり、政府は明確な理解能力を示せていない」と記した。

フランスの有力紙であるル・フィガロ紙は、マリー・ミシェル・マルティネのイスタンブルからの報告で、トルコのスカーフ論議に注目した。
「スカーフはいつもトルコ社会を分裂させている」という見出しを使ったル・フィガロ紙は、スカーフを被ったレイラ・シャーヒンが欧州人権裁判所に起こした裁判を取り上げた。
欧州人権裁判所が一週間以内に、トルコ共和国の国是に関わる二つの審理書類について仲裁としての役割を望まれていると述べる報告は、次のように述べる。「前の週にクルド独立のリーダー、アブドゥッラー・オジャランについて出された、より公正な裁判を進めるために有利な決定は、民族主義者と軍部を非常に苛立たせた。これに対して政府側からは徹底的な冷静さを受けた。しかしスカーフ問題になると事態は完全に反対になり、政府は明確な理解能力を示せていない。」
ル・フィガロ紙は何人かのトルコの大臣の妻がスカーフを被っていることを示しつた上で、「外務大臣の妻ハイリュンニサ・ギュルがレイラ・シャーヒンの例を見てストラスブールの裁判所で手続きを始めたが、結局その計画を諦めた」と記した。

「スカーフ無しの写真を出さず、 卒業証書を受け取れなかった」

首相レジェプ・タイイプ・エルドアンが、大学でのスカーフ着用禁止の廃止にむけた契約をひたすら繰り返していることと、その企画によって、国会で二月に「髭とスカーフ」の理由で大学から追放された50万人の学生に関する容赦を認めたことを述べる同紙は、この容赦は根からの宗教主義者からは「小さな勝利」として認識されたと記した。同紙は、スカーフ着用禁止の廃止のためにアンカラで行われた催しに数千人が参加したことに注目した。
しかし、スカーフ問題では、トルコに存在する法律適応に対して欧州人権裁判所が一つの答えを出す可能性は低いと伝える同紙は、欧州人権裁判所が以前に、スカーフ無しの写真を提出することを拒否したため卒業証書を受け取れなかったトルコ人学生の訴えを拒否したことを思い起こさせた。
ル・フィガロ紙は、欧州人権裁判所がレイラ・シャーヒンの訴えを拒否した時「世俗主義原理が個人を、外圧や全社会に自らの宗教のシンボルを負わそうとする者から守ったように価値のある見解だ、と説明したと記した。



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( 翻訳者:池田 慈 )
( 記事ID:51 )