ライスの非難とアーセフィーの回答
2005年06月06日付 Sharq 紙

6月6日シャルグ紙5面

【ISNA】AP通信の報道によると、EUとイラクは、6月22日にブリュッセルで開かれる会議の共催者として、アメリカに合流する予定であるとのことである。ライス米国務長官はこの会議の計画を先月、イラクを訪問した際に明らかにした。ここ数日間、ライス国務長官はこの計画の詳細を発表していた。欧州諸国の外交官が出席してアメリカ国務省で行われた記者会見の中で、イランはこの会議に出席するのかどうかについて記者が質問するまで、この問題は関心を集めていなかった。

 ライス国務長官はこの質問への直接的な回答は避け、その代わりにイランに対するアメリカ政府のこれまでの非難をくりかえした。「われわれはイランと国交がない。このことは皆が理解していることである。われわれはイランとの間で意見の相違を有している」。

 これに対し、ルクセンブルクのジャン・アッセルボルン外相は、同国が現在EUの持ち回り議長国を担っている旨指摘した上で、記者団に対して「ルクセンブルクはイランと国交があり、イランは招待されている」と述べた。ライス国務長官はアッセンボルン外相の回答に対して即座に、アメリカはイランの出席に反対する意図は全くないと述べた上で、「われわれはイランとイラクが良好で、透明性のある関係を築くよう望んでいる」と続けた。AP通信の報道は、現段階ではまだイランがこの会議に出席することになるのか否かははっきりしていないと指摘している。

 ライス国務長官はまた、イラン大統領選挙について、次のような干渉的な発言をした。「数週間後に実施されるイラン大統領選については、あまりよい印象を得ていない。というのも、立候補者たちが、選挙を通さずに選任された護憲評議会によって蔑ろにされているからだ」。さらに同国務長官は、「私はサッダームのくびきから逃れたイラク人が現在、自らの主権をイランの護憲評議会に委ねたいと考えているなどとは、まったく考えられぬことである。私は実際、イラク人たちが〔宗教・宗派や民族、主義・主張の〕違いを乗り越えて、自らの進むべき道を見出すものと強く信じている」と主張した。同長官はさらに、先週の水曜日ワシントンでイラクの外相と会談した際、イランについて同外相と話し合った旨述べた。ライス氏は、「イランには、イラク内政への干渉を試みることなく、同国の安定に関心をもっていただきたいと、われわれは願っているのであり、それ以上のことを期待しているわけではない」と表明した。

 イラン外務省報道官のハミード・レザー・アーセフィーは米国務長官発言に対する反応として、「ライス氏は、わが国の外相が成功裏にイラクを訪れ、国民やイラク政府高官から大いに歓待を受けたことを快く思っていないのだ。アメリカのメディアにさえ嘲笑を買った自身のイラク訪問と比較して、ライス氏は劣等感を抱いている」と述べた。さらに同報道官は、「イランが中東地域でアメリカが強要している変化に同調していないことは、疑う余地が無い。中東諸国民は、自らの運命を自分たちで決定することができるだけの政治的発展・成熟を十分に有していると、私は考えている」と述べた。アーセフィー氏はイラン大統領選挙に関するライス氏の発言について、わが国に対する内政干渉であるとして退け、「ライス氏がイランのさまざまな制度のあり方について何の理解もなく意見を表明することはふさわしくない」と述べた。

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( 翻訳者:久野華代 )
( 記事ID:156 )