アッバース議長、ホワイトハウスを訪問
2005年05月26日付 Sharq 紙

2005年5月26日付シャルグ紙オンライン版

 パレスチナ自治政府のマフムード・アッバース議長は火曜日、ホワイトハウスの支持の取り付けとパレスチナの最新動向の説明のため、ワシントン入りした。

これは、5年前にパレスチナ人指導者がホワイトハウスを訪問して以来、初のことである。

 パレスチナの前指導者であったヤーセル・アラファートが死亡し、中道的なパレスチナ人指導者であったアッバース議長が政権を握ったことに伴い、パレスチナとイスラエルの間で和平を確立しようとする動きは、新たな局面に入った。

 パレスチナとイスラエルの両者が〔和平への〕合意に至れば、パレスチナ、イスラエルという二つの国家が互いに隣り合った形で形成されることになる。現在のところ、パレスチナとイスラエルの間には暫定的な停戦が成立しており、両者ともワシントンの支持の下で、「ロードマップ(行程表)」での合意にもとづき、新たな一歩を踏み出そうと努力している。

 しかし、一方でエルサレム近郊でイスラエルが入植地建設を継続させ、他方でハマースなど大きな影響力をもつパレスチナ勢力が軍事活動を継続させていることで、両者が全面的な合意に至るための歩みは停滞気味である。

ロイターはアッバース議長の発言として、「われわれは、アメリカに対して、経済援助だけでなく、ロードマップの実行について慎重な政治的立場を取るよう求めている」と伝えている。

アッバース議長はアメリカから様々な援助を得て、今後いくつかの選挙を経るなかで、パレスチナ民主化計画を遂行しようとしている。

あるパレスチナの高官も、「アッバース議長は、パレスチナの民主化や治安部隊の拡大といった分野でのパレスチナ自治政府の成果を、ブッシュ大統領に話す予定である」と述べている。この高官はさらに、「国が占領下にある限り、民主主義は確立されない」と指摘している。

〔ブッシュ大統領との〕会談のもう一つの主要テーマが、ガザ地区にある21のユダヤ人入植地と、ヨルダン川西岸にある120の入植地のうち4つの入植地からのイスラエル人撤退問題がある。

ロイターによると、アッバース議長はイスラエルによる入植地建設の拡大に関連する地図をブッシュ大統領に示す予定であるという。「ロードマップ」合意に反して、特にエルサレム東部で進められている入植地建設の継続は、国際社会やアメリカ合衆国の抗議を招く原因となっている。エルサレム東部での入植地建設が続くと、エルサレムはヨルダン川西岸と分離してしまうからである。

アッバース議長はブッシュ大統領との会談で別の地図も携帯する予定である。そのうちの一つはパレスチナの歴史的〔範囲を示す〕地図であり、パレスチナ自治政府の管轄下にある現在のガザ地区やヨルダン川西岸地区との比較では、同地域は、パレスチナの歴史的〔範囲を示す〕地図の、たった22%しか構成していないののである。

アッバース議長はまた、ブッシュ大統領に別の地図も示す予定である。それによると、たとえイスラエルが〔ガザ地区の〕21のユダヤ人入植地を明け渡すことに合意したとしても、イスラエルはヨルダン川西岸の別の場所に、より大規模な入植地建設を進めているというのである。

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( 翻訳者:藤川淳 )
( 記事ID:97 )