EU憲法の否決はトルコのEU加盟にも逆風(Milliyet紙)
2005年06月03日付 Milliyet 紙

フランスとオランダで行われたEU憲法批准の是非を問う国民投票が大差で否決されたことで、EUの先行きは不透明となった。その一方で敗北のツケはトルコをはじめ将来EUへの加盟を希望しているバルカン諸国に回ってくるという推測がなされ始めた。

昨日の欧州委員会オッリ・レーン拡大担当委員の発言は、こうした推測を裏付けるものとなった。レーンは反対票の根底にあるのはEUの急速な拡大に対する反発だと述べ、昨日の記者会見で候補国の加盟を承認する基準がきちんと満たされているかどうかを厳格に審査することを明らかにした。

レーンは、国民投票を通じた意思表示を受けて欧州委員会は前述のような方針で活動し、2007年にEUへの正式加盟を予定しているブルガリアとルーマニアに対し基準達成のための改革が予定よりも遅れているためイエローカードを出すつもりだと語った。事前の警告の意味を込めてソフィアとブカレストにそれぞれ文書を出すことを明らかにしたレーンは、その中で両国で行われている改革が不十分であることを指摘すると述べた。

「これは事実上のイエローカードに相当する」と言うレーンは、「両国がヨーロッパの政治風土を正しく理解し、このイエローカードを厳粛に受け止めてくれることを望む。そうすれば加盟を一年遅らせる移行期間が設けられたりはしない」と話した。汚職が広範に広まっているブルガリアやルーマニアは、司法制度や治安維持に関する包括的な改革に着手していない、または改革のスピードが遅いと批判されている。

<トルコにも影響があるだろう>
スペインのミゲル・アンヘル・モラティノス外相は、フランスとオランダでEU憲法が否決されたことについて、トルコのEU加盟論議にも影響するだろうと述べた。モラティノス外相はスペインのラジオに出した声明の中で、一昨年の10カ国の新規加盟が生んだ疑問や不安がフランスとオランダでの否決の理由になったと述べ、「間違いなく今回の国民投票の結果は、25カ国で構成されるEUがトルコやクロアチアなどの加盟候補国とともにさらに拡大するプロセスに影響を及ぼすであろう」と話した。また、国民投票による否決は、EU加盟を夢見るアルバニアやマケドニア、クロアチア、ボスニアといったバルカン諸国を落胆させたと述べた。

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( 翻訳者:永井 )
( 記事ID:121 )