アメリカは引き渡すか?イスタンブル・テロ事件の主犯格、イラクで身柄を確保(Milliyet紙)
2005年07月13日付 Milliyet 紙

イスタンブル・テロ事件(の主犯格)で逃亡中のサーデッティン・アクダシュとブルハン・クシュが、イラクで拘束されたことが明らかになった。アメリカは、容疑者の身柄を確保していることを非公式ながら認めた。アクダシュとクシュの身柄がオジャランの場合のように引き渡されるかどうかが、米土関係の新たな争点となるだろう。

イスタンブルで2003年11月15日および20日に起きた連続自爆テロで逃亡した容疑者のうち、2人の身柄がイラクで拘束されたことが明らかになった。米国の監視下にあることが非公式ながら確認された2人のテロ容疑者をトルコに引き渡すか否かが、米土関係の新たな争点となった。

イスタンブル第10重罪裁判所で開かれている71人の容疑者の公判のうち、4月11日の審理で、検察の報告書に逃亡中の容疑者として指名手配中と記されているサーデッティン・アクダシュとブルハン・クシュが(イラクの)アブー・グレイブ刑務所にいるという主張が記録された。逃亡中の容疑者がスイスの赤十字を通じて家族に送った、「私たちを心配しないでください、手紙を受け取ったら返事を書いてください」という一節の書かれた手紙を裁判所に提出した弁護士は、文書の開示に立ち会うためイラクで加わった戦闘で殺されたハビブ・アクダシュの従兄弟であるアクダシュとクシュのトルコへの引き渡しを要求した。

■アブー・グレイブにて・・・
イスタンブルの連続爆破テロを実行した3人のアル・カーイダのメンバーが、イラクで死亡したという情報に続き、2人の逃亡者が同国のテルアファル(訳注:イラク北部のトルクメン人が多数住む都市)近郊で拘束されたということが知らされた。公式筋では、この知らせを受けて外交チャネルが動き出し、イスタンブルの爆破事件の主犯格である2人の逃亡者に関する情報の確定に努めた。
米国は非公式チャネルを通じ2人のテロ容疑者の身柄を確保していることをトルコ側に伝えた。
アブー・グレイブ刑務所に収容されていると推測されるアクダシュとクシュについて非公式ルートから確認された情報が「公式に」トルコ政府へ伝えられた後、最初のステップとしてトルコが尋問をするため、イラクへ代表団を派遣することが争点となりうると報じられた。

■要求はイラク政府に
トルコ政府は尋問に続く2番目のステップとして、2人の容疑者のトルコへの引き渡しを要求するとみられる。ただ、トルコ政府はこの要求を、直接バグダッドのイラク政府に行うことが予測される。
要求が受け入れられるか否かの決定には、舞台裏で米国政府が主導的な役割を果たすだろうと見られ、米土関係において今や重要な協議事項となった。
トルコがシリア政府に圧力をかけたため、1998年10月にシリアからの退去を余儀なくされた後、ロシア、ギリシャ、イタリアに広がる地域で逃亡を試みたテロ組織PKKの指導者アブドゥッラー・オジャランが、逃避先のケニアで1999年2月15日に身柄を拘束された際に、米国は主要な役割を果たした。当時のビュレント・エジェヴィト首相はのちに行った発表で、米国がPKKリーダー・オジャランをトルコへ引き渡したと語った。

■トルコで殺し、イラクで死んだ
イスタンブルにおけるテロ事件では58人の命が失われた。4人のテロリストも死んだテロの後、アル・カーイダのトルコ支部のリーダー格であるハビブ・アクダシュ、アザド・エキンジ、ギュルジャン・バチ、アブデュルカーディル・カラクシュ、サデッティン・アクダシュ、そしてブルハン・クシュがイラクへ逃亡したことが明らかになった。
ハビブ・アクダシュはファルージャで昨年9月に殺され、アザド・エキンジもファルージャで警察の詰め所に向けた自爆攻撃で死んだ。ギュルジャン・バチについては、3、4カ月前にバグダッドで米国人のいる管理拠点に爆弾を積んだ車で突っ込み、爆死したことが判明した。アル・カーイダのメンバーがバチの家族に電話し、「吉報でありますように、同胞ギュルジャン・バチは殉教しました」と本人の死を知らせたことが確認され、その後エキンジとバチの家族はイスタンブルで遺体不在の葬儀を開き祈りを捧げた。

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( 翻訳者:幸加木 文 )
( 記事ID:433 )