ロンドン同時多発テロ後に国連が支持 -エルドアン首相「『文明間同盟』はテロへのメッセージだ」(Milliyet紙)
2005年07月16日付 Milliyet 紙

エルドアン首相は、国連が支援する「文明間同盟」計画は「テロと暴力からの救いを求める人々への心強い返答」だと述べた。スペインの政府高官は、このプロジェクトを首相たちの(外交的)成功だと語った。

エルドアン首相は、「文明間同盟」計画に関する決定が下されたのがロンドンのテロ攻撃の後だったのは痛ましい偶然だと述べた上で、計画は「テロと暴力からの救いを求める人々への心強い返答」になると語った。(首相は)首相府の報道センターで、国連のコフィ・アナン事務総長が昨日発表した計画についてコメントを発表した。内容は次の通り。

■唯一の道は対話である

「トルコは、人間性の共通の価値やその根源が、存在しうるあらゆる宗教あるいは文化的伝統を知ることでより強固な求心力を生み出すことや、暴力や狂乱がいかなる宗教や文化の核心部分にはないこと、そしてこれからの世代に平和で安定した世界を残す唯一の道が、過激派が作り出そうとしている偏見や対立に対抗できる活発で友好的な対話から生まれるということを支持する。計画の目的の1つは、社会が直面している問題や受けている攻撃が原因で互いの責任を追及する代わりに、ともに決起して闘うことのできる環境を整える手助けをすることである」。

■外務省の発表 

外務省の発表では「文明間同盟」計画の一環でさまざまな国の各分野の上級の専門家が集う「知識人グループ」が構成され、このグループの準備する行動計画が2006年下半期に国連に提出される予定であることが明らかにされた。グループにはトルコを代表してメフメト・アイドゥン国務大臣が、スペインの代表者とともに取りまとめ役として参加を予定している。

■「外交的成功」

スペインの政府高官も、国連の支援が計画の発案者である同国のホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相の外交的成功であると述べ、テロとの闘いが「花が傷つく湿地帯を干上がらせる」ことを目指す面もあわせ持つ戦略であると語った。テロとの戦いが全地球規模でなければならないという政府高官は「司法や警察、シークレットサービスをさらに活用するとともに、全体主義や聖戦の熱狂が支配する地域を“干上がらせる”ことを優先する必要があると述べた。

スペインで発行されているEl Pais紙は、「文明間同盟」で任を負う専門家が、過激な宗教主義との闘いや分離主義防止、異なった文化を持つ国民の関係修復に向けた提案を行う必要があると伝えた。同紙は、計画の発案者であるサパテロ首相が「文明間同盟」を実現させるためにエルドアン首相も署名した手紙が先週の水曜日に国連のアナン事務総長手渡され、承認されたのち、サパテロ首相は大変満足したと報じた。

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( 翻訳者:藤巻晋也 )
( 記事ID:454 )