多数のクルド系イラク人がキルクークに押しよせ住民登録(Milliyet紙)
2005年08月04日付 Milliyet 紙

何万人ものイラクのクルド人がキルクークに住民登録したことが判明した。クルド人がキルクークを自らの自治地域に組み入れようとしていることに対し、反対の声も出ている。

イラクのクルド人は豊かな産油都市であるキルクークを自治地域に組み入れる目的で、相次いでこの町に移住し住民登録をしたことが明らかになった。AP通信は、住民登録をしたクルド人の数は数千人にも上ると伝えた。こうしたキルクークへのクルド人の移住は憲法の58条に基づいて行われている。この条項は失脚した独裁者サダム・フセインの時代に遠隔地に強制移住させられた人々の帰還と彼らへの賠償金の支払いを定めている。同通信は、フセイン体制下で8万人のクルド人が人口85万人のキルクークからアルビルやスレイマニエへ移り住んだと報じた。
同通信によると、北イラクで支配権を握るクルド人の指導者層が、強制移住させられたクルド人にキルクーク近郊で住民登録するよう呼びかけている。しかし、キルクークを自治地域に組み入れようとするクルド人側の動きにに対し、アラブ人やトゥルクメン人、トルコは反対している。

■アラブ人・トゥルクメン人は反発

クルド人が戻ってきたことはトゥルクメン人とアラブ人の反発を生んでいる。トゥルクメン人関係者のハサン・トゥラン氏は、「いかなる民族集団であれ、キルクークに住んでいた人の帰還には反対しない。ただ、それはキルクーク生まれの人でなければならない。この問題を人道的な問題から政治的な問題に変えてはならない」と述べた。
キルクーク地方議会のアラブ人議員、ムハメッド・ハリル氏は「キルクークにやって来たアラブ人は町から離れてはならない。なぜならキルクークはイラクで異なる民族集団が生活する町だからだ」と語った。

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( 翻訳者:山 雄起 )
( 記事ID:582 )