砂浜も生き物も失われる-黒海沿岸の道路工事に警鐘(Milliyet紙)
2005年07月26日付 Milliyet 紙

ギレスン、トラブゾン、リゼで砂浜をなくす道路工事に反発している科学者は「今後多くの種の生き物が失われる」と語り、警鐘を鳴らした。

メンバーの多くを科学者が占める「黒海環境プラットフォーム」は、サムスンから(グルジア国境の)サルプに延びる海岸で発生している汚染に関するレポートで、海岸沿いの道路建設が生態系に与える悪影響について指摘した。
黒海工科大(KTÜ)スルメネ海洋科学部のジョシュクン・エリュズ准教授は、「海底で生きている生き物が育つ場所がなくなった。このことは様々な形の破壊として私たちに返ってくるだろう。開いた傷口から長い時間かけてもたらされる結果はまだ分からない」と述べた。

■「かもめも町で生活する」

ただ海底で生きている生き物だけでなく、海鳥も姿を消す危険にさらされていると指摘するエリュズ准教授は、「ウやサギのような海鳥は、我々が“yalıyar”と呼んでいる切り立った岩場に住みかや巣を作る。渡りの季節、この場所に餌取りや子育てのために来ても岩場を見つけられなくなってしまう。この状態ではこの場所をあきらめるか、町の中に入っていくだろう。結局海岸から海鳥がいなくなることになる。かもめも町で生活する」と話した。

■「水の構造も変わる」

360キロの海岸線を通して、一日中騒音と(照明による)光の害が発生すると述べるエリュズ准教授は、次のように続けた:「車が排出するガソリンや重油、アスファルトのかけらが雨で海に注がれる。山から削られて海に流れる石は、海水と交じり合う。これも海水の成分を変える。作り出される物理的、化学的構造は生態系に悪影響を与えるだろう。これは望む望まないにかかわらず海の生き物の生活環境に影響をもたらす。この影響をもしかしたら10年後に目の当たりにするかもしれないが、そのときにはすでに手遅れになっているだろう」。

■“日和見”生物は増えた

エリュズ准教授は、海岸道路に関する研究に続き、海底で起こっている(変化の)初期の段階について次のようにまとめた:「人工の盛り土によって、砂の中やより深い層にいた微生物の集団や植物は消えた。これらにかわって、日和見生物と呼ばれる生き物や岩場のくぼみに適応しているスズキやタイ類のような魚は急速に増えた。しかし今は経済的だと考えられてことが将来どのような生態系の危機を生み出すかは計り知れない」。

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( 翻訳者:栗林尚美 )
( 記事ID:517 )