Taha Akyoluコラム 世界に開かれるトルコ(Milliyet紙)
2005年08月20日付 Milliyet 紙

トルコは急速に世界へ開かれてきている。このことを経済面でも文化面でも我々は目にしている。イスタンブルは国際イベントの開催で先頭にたっている。イスタンブル大都市庁長官カーディル・トプバシュ氏は、ある対談で次のように述べた。

「ルュトフィ・クルダル会議場は、2008年まで予約済みです。それも国際イベント開催のためです。これはトルコが国外へむかって開かれていっているという特筆すべき象徴的出来事です。ルュトフィ・クルダル会議場にとって、1996年の第2回国連人間居住会議が初めての国際イベントであったことを考えると、国際イベントの受け入れがいかに遅れていたか、そしていかに距離をおいていたかに気づきます。国際イベントの受け入れがトルコ経済に及ぼす影響は、国際貿易、ツーリズム、そして外国資本に関する数字にあらわれています。我々の文化の国際発信は、外国語からトルコ語へまたはトルコ語から外国語への翻訳が急速に増加したことから、音楽やスポーツといった活動にいたるまで幅広い層に反映されています。アナトリアにおいても、全ての都市で祭典、見本市、文化活動の実施、そしてこれらを世界に向けて発信しようとしています。7月だけでもトルコへ入国したツーリスト数は、2百万人をこしたのです。」

アテネは、2004年のオリンピック開催のために70億円をかけた。オリンピック施設、オリンピック観戦のためにギリシャにやってくる多くの人々のために新しい道路、地下鉄、娯楽施設を建設した。イスタンブルも準備をしている。前出のトプバシュ氏は次のように語った。
「ドイツ産業見本市の国際イベント委員会は、今後のドイツ以外で行う国際見本市の開催地をイスタンブルかモスクワと考えています。イスタンブルのほうがより可能性が高いといえます。2004年、イスタンブルでNATOサミット、ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト、イスラム諸国会議、OECD会議が行われました。(2005年には)1万人を超えるゲストが参加した第22回国際建築家連合世界大会が開催されました。UEFAチャンピオンリーグのファイナルのように巨大なイベントでも大成功をおさめました。2008年世界歯科会議がイスタンブルで開催される予定であり、このためイスタンブルには1万2千人が訪れると見込まれています。歯科会議のために1万2千人ですよ。現在、F1グランプリというカーレースが開催されています。世界から5万人の観戦者が来ています。25億の人々がテレビでこれを観戦するでしょう。」

トルコにとってF1 は、広告料金表で換算すると100億米ドルの宣伝価値がある。これを利用して政治での威信や貿易における信用を得ること、そして最も重要なことはトルコとイスタンブルを世界のブランドとして宣伝することだ。パリやロンドンは普遍的なブランドになっているため、それぞれが年間300億米ドルの観光収入を得ている
F1の組織委員会には、なぜイスタンブル商業会議所やトルコ商業会議所・商品取引所連合が参加しているのだろうか。それは明白ではなかろうか。大都市庁はF1のために220万平米の用地に5,3kmの走行路を建設したそうだ。アクセスのために6つのルート、合計24 kmの道路を建設した。そして照明設備、案内板、緑化整備、広告、お土産セット、などイスタンブルは歴史と近代の蓄積にみあうかたちで「普遍的なブランド」にむかって突進している。まだ不十分なところはあるが、進むべき方法ははっきりしている。トルコは世界へ開かれていくのだ。子供の頃、学校で「イズミル国際見本市」を耳にするだけの時代から、アナトリアの全ての都市で祭典、見本市、文化イベントをアレンジし、世界に開いていくために奮闘努力しているダイナミックで積極的なトルコに到達したのだ。経済でも文化でも目標は世界スタンダードに到達することである。世界スタンダードを下回っていれば「発展途上」のクラスにとどまることになる。道は長い。しかし進むべき正しい道である。


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( 翻訳者:山下王世 )
( 記事ID:710 )