成果着々・・・?:エルドアン-アアリエフ会談後日談(Radikal紙)
2005年08月20日付 Radikal 紙

フンダ・オズカン

アゼルバイジャンのイルハム・アアリエフ大統領は、賓客のエルドアン首相とともにバクーでカメラを前にしながら次のように語ったのだった。
「北キプロス・トルコ共和国を国際社会が承認するその先駆けとしてまず我々が承認します。」
北キプロスの国際的孤立を解消するための支援者としての尽力に加えてアアリエフは、将来的な課題として、北キプロス旅券によってアゼルバイジャン入国を可能にすること、アゼルバイジャン実業家からなる代表団の派遣、そして両国を直接結ぶ航空便の就航を挙げていた。
それらの課題のすべてをアゼルバイジャンで担うアタ・ホールディングスのトップでありアゼルバイジャン-トルコ実業者連合総裁でもあるアフメト・エレントクは、アアリエフの声明に十分な形で応じている。
滞りなく課題をこなしている。
アゼルバイジャン-トルコ実業者連合は、ビジネス関係者の代表団として31年ぶりに7月28日にバクーからエルジャンへと直接降り立った。そこでは、3日間に渡って事業提携の可能性について議論された。
8月28日にはキプロス・トルコ航空の航空便が、初めてトルコ以外の国へ、つまりアゼルバイジャンへ直接乗り入れ、北キプロスの外務・経済・観光各省の高官とビジネス関係者をバクーへと運ぶことになっている。
アフメト・エレントクは、問題がなければ、ラウフ・デンクタシュ前大統領と息子のセルダル・デンクタシュ副大統領兼外相も今回の代表団に加わると語っている。
ソヴィエト時代のことを考えるのはよそう。独立ののち年月を経たアゼルバイジャンは、北キプロスとの関係において新たな時代への扉を開いたのだから。我々の親友であるアゼルバイジャンにしては遅すぎやしないかって?いいじゃないの。
1996年以降で初めてアゼルバイジャンを訪問したのが、まさにタイイプ・エルドアンだった。それ以前のメスート・ユルマズは、トルクメニスタンからの帰路、5時間滞在した(だけだったのだから)。
アフメト・エレントクは、現在のアゼルバイジャン-北キプロス間の無きに等しい対外貿易額が短期間のうちに1億ドルを突破するだろうと述べている。

■ニシャンタシュ出身の「アゼリー」実業家:アフメト・エレントクその人
トルコ、アゼルバイジャン、北キプロスの関係を比較しながらのインタビューで、アフメト・エレントクが「我々のところは」あるいは「我が国は」と述べていたことが記者には引っかかった。「我々のところ」とはアゼルバイジャンのことを指している。としても、エレントクはニシャンタシュ[訳者注:イスタンブルのヨーロッパ側新市街。高級住宅街でもあり現在では海外の有名ブティックが軒を連ねる。]で幼少期を送ったらしいのだが。エレントクの母方の祖父は偉大なる詩人アブデュルハック・ハミト。アリー・フアトの副官であったイドリス・チョラは彼の曽祖父にあたる。「アル運動」(Ari hareketi)の出発点となった「アル・グループ」の設立者のひとり。実現はしなかったが祖国党代表でもある。政治的危機、経済的危機が叫ばれるや1999年からアゼルバイジャンで事業に着手した。今日、農業、食料品、工業、建設、観光、金融の各分野で活動するアタ・ホールディングスは、石油関連企業を除くとアゼルバイジャン第二の巨大グループである。

■民族楽器タール戦略
タール[訳者注:ウード、サズと同系統の弦楽器の一種]はアゼルバイジャンの民族楽器であるが、同時にその綴りはトルコ、アゼルバイジャン、ロシアの頭文字を合わせたものでもある(TAR)。エレントクによれば、トルコがロシアと協力し、アゼルバイジャンを両者を結ぶ橋のように用いつつ、「ユーラシア経済協力機構」を構築しなければならないという。ユーラシア実業者会議が設立されるのか?ユーラシア投資ファンドを作るというのだろうか?はたまた別の何か有力な連合体がこの世のものとなるのだろうか?そうなったところでどうでもいいことだ。トルコが加盟途上にあるEUへの障害を無くすためには、ユーラシアの力の如何については後回しにするほかない。
アフメト・エレントクは「私は君の兄だ」との言葉が本当の意味で「殺し文句」であることを思い知っている。そもそも我々トルコ人が自任する兄貴分としての役回りが、我々以外のトルコ系諸共和国から歓迎される場面を、いまだ目にしたことがないではないか。
アフメト・エレントクは、過去数年でアゼルバイジャンとトルコの対外貿易額がほんの数%増加したことについて賞賛されるのも相応しいことではないと考えている。なぜなら、1994-1995-1996年にはアゼルバイジャンの対外貿易額に占めるトルコの割合は約26%だったが、2003年には4.5%に縮小したのだから。


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( 翻訳者:長岡大輔 )
( 記事ID:744 )