EU加盟問題に関する高校生へのアンケート結果(Radikal紙)
2005年08月01日付 Radikal 紙

 高校生たちは、トルコのEU加盟によって失業や行政の問題は軽減されるが、道徳的な堕落は拡大するという考えでいることがわかった。トルコ社会科学協会によって2004年10月20日に開始された「トルコ青年の主張:トルコのEU加盟申請過程と加盟に対する若者の考え」調査プロジェクトの結果が公開された。
同調査では、若者にむけ、EU加盟申請過程やトルコの外交政策に関する見解のほか、人口学上・社会経済学上のトルコの現状、トルコの一般的な問題に対する考え方、別の集団に対する肯定的/否定的先入観、異なるアイデンティティを持つ人々に対する見方、そしてトルコの西欧化政策に関する質問が向けられた。

■70%がEUに熱い視線
 EUの経済支援によるこの調査は、イスタンブル、バルケスィル、イズミル、ブルサ、アンカラ、アダナ、カイセリ、サムスン、トラブゾン、エルズルム、マラトゥヤ、ガズィアンテプの高校、合計60校で行われた。これらの県の普通高校、アナドル高校、私立高校、職業高校、イマーム・ハティプ高校において、最終学年に属する4542人の生徒を対象にアンケートを行った。調査のさまざまな段階で、生徒たちと意見を深めるための会合やテーマごとのグループ会議も行った。
 「EU加盟はトルコにとってよいことか」という問いでは、生徒の66.9%が「よいと思う」と答えた。「よくないと思う」と答えた生徒は18.6%にとどまった。

■道徳とドラッグ
 トルコが現在抱える基本的な問題に対するEU加盟の影響に関する質問もあった。彼らはトルコのEU加盟は失業や教育、行政の諸問題を軽減させると考えているが、他方でそう考える生徒たちの多くは「道徳的価値」については明るい見通しを持っていない。生徒たちの76.8%が、トルコがEUに加盟すれば失業問題が軽減されると考えている。また、加盟後には教育問題も軽減されると信じる生徒は75.6%、行政サービスの不足が改善されると考える生徒は71.6%にのぼった。しかしながら調査結果によると、「道徳的価値の堕落」がEU加盟によって改善されると考える生徒は15%にとどまった。むしろ生徒の60.4%は道徳的価値の堕落が拡大すると考え、65.5%はドラッグ依存が増えると考えている。

■若者から見てキプロス問題は障害ではない
 アンケートに答えた4542人の高校生のうち、キプロス問題がトルコのEU加盟を妨げる要因であると考えているのはたったの3人、つまり0.1%のみであった。生徒たちのうち25.5%は、むしろトルコの経済状態の悪さが問題となると考えている。
 また、EU加盟の悲観要因は何かという上記の質問に対し、トルコ国民がヨーロッパへ大量に移動する可能性だと答えたのは19.7%で、対して7%は「民主主義や人権の不徹底」と答えた。また、「トルコはどの国際組織に属すべきか」との質問には、36%がEUと答えた。「トルコは独立した存在であるべき」と答えた生徒は19.4%、「イスラム世界」と答えたのは18.6%だった。



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( 翻訳者:宇野 陽子 )
( 記事ID:564 )