キプロス航空機墜落:121人死亡(Radikal紙)
2005年08月15日付 Radikal 紙

 アテネに墜落した旅客機で死亡した121人の人々は、空調設備の故障によって飛行中にすでに意識がなかった可能性がある。旅客機から発せられた最後のメッセージは、「パイロットの顔色は真っ青だ。いとこよさようなら、私たちは凍えています」だった。

 キプロスの民間航空機会社ヘリオス社に属するボーイング737型旅客機がアテネの北東部に墜落した。子供48名を含む乗客115名、そして6名の乗務員は、飛行機が墜落する前に空調設備の故障により酸欠状態で凍えて意識を失っていた可能性が高い。ギリシャのジェット戦闘機は、制御を失った旅客機をなすすべなく44分間見守るしかなかった。ボーイング737型旅客機は昨日10:07にアテネ経由でプラハに向かうためラルナカを飛び立ち、10:37にギリシャ領空に入った。アテネ空港の管制官は着陸態勢に入るのに必要な指令を行うため旅客機と連絡を取ろうとしたが、返答はなかった。警報を発令したアテネ空港は、ラルナカ空港と連絡を取った。旅客機がキプロス領空を出る前に、パイロットが「空調設備に問題がある」と言っていたことが判明した。
 オリンピック開催のため昨年考案された領空防衛作戦が実行に移された。ギリシャ空軍に属する2機の戦闘機は、キプロス旅客機が「ID不明状態」になったことから、あらゆる可能性を考慮して空からの捜索を開始した。数分後キプロス旅客機がギリシャ領空内で迷走しているのが発見された。戦闘機のパイロットが旅客機に近づいて、機長が席におらず副操縦士が気絶しており、旅客機内の酸素マスクも出ているのを確認した。おそらくは突然の高圧がかかったと思われた。戦闘機ができた唯一のことは、主を失った旅客機が地面に墜落するまで随行することだった。ジェット戦闘機はこの44分の間、様子を見守っていた。

■コックピットでむなしい努力
 ギリシャ当局は旅客機が墜落する直前にコックピットで制御を試みた2名の人物がおり、しかし彼らが誰なのか不明であると明かした。事故に関する最も可能性の高いシナリオは、空調設備が故障したことによって飛行機の他の部分にも支障が出て、乗客は凍え、かつ酸欠状態になり死亡したというものである。

■空調設備の故障は初めてではない
 このシナリオは、ある乗客がアテネで待ついとこにあてて「ひどく寒い。凍えています。パイロットの顔色は真っ青で副操縦士は気絶しています。さようなら」と携帯電話で送ったメッセージによっても裏付けられた。ヘリオス航空では2週間前にも、アテネからラルナカに飛ぶ複数の便で、空調設備の故障により寒くなり毛布が配られたことがあったと乗客は話している。同機では過去に4度同様の故障が見つかったいうことである。テロの疑いはないという。ラルナカ空港に駆けつけた事故機乗客の関係者は、情報が伝えられないことに怒り、ヘリオス航空の幹部を責めたてた。
 北キプロス・トルコ共和国のメフメト・アリ・タラト大統領はキプロス共和国のタソス・パパドプロス大統領に電話をかけ、お悔やみを述べた。



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( 翻訳者:宇野 陽子 )
( 記事ID:671 )