Ismet Berkanコラム「EU加盟」(Radikal紙)
2005年05月24日付 Radikal 紙

 ドイツのノルトライン・ウェストファリア州での選挙(23日)で与党の社会民主=緑の党連立が敗北したことは非常に重要な意味を持つ。シュローダー首相は可能であればこの秋に前倒し選挙をすると発表した。ドイツの法律では前倒し選挙には障害が多く、今から選挙があるかどうかはっきりと言うことはできないが、その可能性はかなりあるということを受け入れなければならない。そしてもうひとつ、高い確率で与党は敗北し、代わりにキリスト教民主同盟が政権に就く。このドイツでの避けられないと思われる政権交代はトルコに直接の影響を与える。

 まず過去を見てから将来を予想しよう。キリスト教民主同盟からの最後の首相はコールだった。コールはトルコのEU加盟に反対だった。そのため1997年ルクセンブルクの例のEU拡大決定でトルコははずされることになった。トルコはEUから弾かれると、EUとの関係を棚上げした。深刻な態度硬化の時期が始まった。ドイツで政権が交代しシュローダーが首相になるまでのことである。1999年にデミレル大統領がEUのリーダーたち、特にドイツ首相と行った外交は効果があり、その年の末にヘルシンキで行われた交渉ではトルコは加盟候補国の地位を得た。それ以来、トルコの最大の支持者はドイツとなった。残念ながらトルコがコペンハーグ基準をクリアするのには5年かかり、交渉が始まるのはキプロス共和国のEU正式加盟後で、ドイツをはじめトルコの加盟を支持する国々のリーダーたちの選挙がある2005年に非常に近くなってしまった。(しかしトルコは本当なら2002年にはコペンハーグ基準をクリアし拷問を廃止し、2003年には交渉を始められただろう。今日全く違った場所にいられたかもしれないのだ。)

 ドイツの選挙は、トルコが交渉を開始する10月3日の前だろうか後だろうか。日付すら重要になってきた。首相当選確実といわれるメルケル氏はトルコの正式加盟には反対だが交渉をすることには反対しないと以前に話している。一方未来の外相はトルコの正式加盟を法的に阻止するためにできる限りのことをすると繰り返している政治家である。そしてドイツの選挙戦の一番の争点は間違いなくトルコの正式加盟になるだろう。要するに、我々がここで待ちながら、EUに関して何もしていない間にヨーロッパでのトルコ支持ムードは変わり、代わりに反トルコ政治家たちが政権に就こうとしているのだ。



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( 翻訳者:加賀谷ゆみ )
( 記事ID:53 )