ロンドンのテロ事件捜査の関連で、トルコ人3人逮捕(Milliyet紙)
2005年07月29日付 Milliyet 紙

ロンドンで発生したテロ事件に関連して逮捕された者には、3人のトルコ人が含まれていた。イスラム、ヒダーイェト、イブラヒムという名のトルコ人は“ハラール・ハンバーガー”を販売するケバブ店に勤務していた。

ロンドンで7月21日に発生した爆弾テロに関連して、警察は昨日の捜査で9人を逮捕したが、そのうち3人はトルコ人であることが判明した。事件後の逮捕者数は20人に増える一方、未遂に終わった爆発を企てた容疑者3人は未だ行方不明のままである。テロ対策チームは昨日朝、ロンドン南部のトゥーティング・ブロードウェイ地区にあるケバブ店を捜索し、3人のトルコ人を逮捕した。そのケバブ店はキプロス出身のトルコ系移民が経営し、イスラム教の律法に則って調理された“ハラール・ハンバーガー”を販売していた。

■大使館が動いた
 
在英トルコ大使館による話し合いの結果、イギリス警察はトルコの高官に対し、逮捕された3人のトルコ人がテロ行為に参加した証拠は見つからず、単に容疑者らと関わりがあったために逮捕したと述べた。
“ケバブ・ハンバーガー”という名前のレストランで25年間オーナーを務めるアフメト・アリ氏によれば、警察は自らが所有する店の上にあるアパートを朝の5時頃に家宅捜索したという。
アリ氏は、レストランのトルコ人従業員が寝泊りするこの家に、警察がドアを壊し、窓を割って入ったといい、身柄を拘束された3人のうちサムスン出身のイスラム・タット(26)は最近イギリスに来ており、トルコではレスリング選手として活躍していたと述べた。
キプロス系トルコ人の妻ミュジガンとともにケバブ屋を経営しているというアリ氏は、同じく逮捕されたカフラマンマラシュ出身のイブラヒム(29)が2年間イギリスに住んでおり、この国に亡命してきたことや、また40歳のビンギョル出身のヒダーイェト・デルヤも8年前にイギリスに亡命し、7年間“ケバブ・ハンバーガー”で働いていたことを話した。

■「皆、良い子だった」
 
アフメト・アリ氏は捜査について次のように説明した:「朝、店を開けに来たときにはいたるところに警官がいた。警官は私たちに、犯罪を犯し、テロと関わりがあると判明した者を逮捕したと告げた。うちの従業員を捕らえ、連れて行ったことは後から分かった。ヒダーイェトは店を開ける時に捕まり、他の2人は上の階で寝ているときに連れて行かれたようだ」。
アリ氏はヒダーイェト・デルヤに関して、「信頼できる子だった。疑わしい様子もなかったし、彼の友達も非常に良い子達だった」と述べた。また自分の元で働くイブラヒムやイスラム・タットについて、最近来英したが、過激派的な面は見えなかったと話した。イギリスに3カ月のビザでやって来たことが分かったタットは、携帯電話の履歴を調べた結果、マンチェスターやバーミンガムへ何度も電話をかけていたことが判明し逮捕されたと伝えられた。
 
■「イスラムは宗教熱心だった」
 
アフメト・アリ氏の妻ミュジュガン・アリ氏は、イスラム・タットが宗教に対して熱心であったと述べ、「イスラムは宗教を愛していた。ハラールではない、と言ってここの食べ物すら食べず、自分で食事を用意していた。しかし、疑わしい様子はなかった。4週間前に来たばかりで、イギリスでは勉強をするはずだった。私たちも彼についてあまりよく知らない」と話した。ミュジュガン・アリ氏は捜査の際、ケバブ店の上の階にある自宅をめちゃくちゃにされたと説明し、次のように述べた:「ガラスを割られ、床を剥がされたが、損害額は払ってもらえると言われた。(警察は)私たちにはそれほど質問しなかった」。
 
■近隣住民らは困惑の様子
 
逮捕されたトルコ人3人の近隣住民らは、逮捕を信じられないと話した。パキスタン系の住民は、トルコ人たちに疑わしい様子はなく、近所ではまじめで勤勉な従業員として知られていたと述べた。

■学生に住居をあっせん
 
イギリスで逮捕されたイスラム・タットの兄でサムスンに住むハサン・タット氏は、「弟は我々が設立した留学コンサルタント会社を通じて初めて海外に出た。弟は2カ月間、空港でトルコ人留学生を出迎え、イギリスでの滞在先をあっせんしていた。空港で頻繁に姿が目撃されたのはこのためである。セキュリティーカメラに頻繁に映っていたために逮捕されたようだが、程度の差に関係なく、弟がテロに関わることは不可能だ。何日かしたらきっと釈放されるはずだ」と述べた。兄のタット氏は、イマーム・ハティプ高校の卒業生で、レスリング選手だった弟は仕事でイギリスに行ったと述べ、次のように続けた。
「11時から12時の間にイギリスから電話があり、イスラム・タットはお宅の何だと聞かれた。私は以前イギリスに滞在したことがあるため、記録から私の名前が見つかり、私にたどり着いたようだ。電話では弟の滞在理由を聞かれ、イギリスの語学学校に行くトルコの学生を空港で出迎え、学校に通わせるためにイギリスにいたと答えた。さらに弁護士をつけるかどうかを聞かれ、(つけたいと)答えた。その後弁護士と話した。この事件に関して不安、恐れはない」。

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( 翻訳者:永井ひとみ )
( 記事ID:553 )