84歳でリヤドで亡くなったサウジアラビアのファハド国王の死去の知らせは数分のうちにアメリカ大統領へ「緊急」というコードで送られた。サウジアラビア政府当局は、アブドゥッラー新国王は石油政策を変えないだろうと述べた。

5月27日以来肺炎の診断を受けて首都リヤドのファイサル国王専門病院で治療を受けていたサウジアラビアのファハド国王が、昨日現地時間午前6時（トルコ時間午前7時）ごろ84歳で亡くなった。10年来サウジアラビアを事実上指揮してきた、ファハドの義理の弟で81歳のアブドゥッラー皇太子が世界最大の石油生産国の新国王に任命された。新しい皇太子には77歳のプレンス・スルタン・ビン・アブデュルアズィズ防衛長官が任命された。1995年に（脳卒中を患い）麻痺したファハド国王の遺体は今日埋葬される。

■石油は62ドル
あるホワイトハウスの情報筋は、ファハド・ビン・アブデュルアズィズ国王の死は数分以内にアメリカのジョージ・W・ブッシュ大統領のもとに緊急コードで伝えられたと述べた。国王死去を世界で最初に知らせた通信社はロイターだった。ロイターがトルコ時間10時2分に配信したニュースで、ある西洋の外交官が、病院関係者から国王死去を伝えられたと述べたことが明らかにされた。
ファハド国王の死を受けて、エジプトで明日行われる予定だったアラブ連合サミットは延期された。国際市場では石油の1バレル当たりの価格が62.30ドルに達した。しかしサウジアラビア当局は、石油政策にはいかなる変化もないと発表した。
1982年に第5代国王に即位したファハド国王の死に関する公式発表がイヤド・ビン・エミン・メデニ情報大臣によって国営放送で行われた。声を震わせたメデニ情報相は、「深い悲しみ、心痛とともにお知らせします。メッカと預言者の寺院の使いがお亡くなりになりました」。この発表の後、テレビは通常の番組を差し替え、コーランの読誦を放送し始めた。

■320億ドルを残した
ファハド国王は、アフガニスタンがソビエトによって占領された後、アメリカとの緊密な協力関係を築き、その後もイラクのクウェート占領の際には国土をアメリカ軍に開いた。しかしアメリカでの9月11日のテロを実行した19人のハイジャック犯のうち15人がサウジアラビア人であることが明らかになってからは、ファハド国王とアメリカ政府との関係は崩壊した。私生活についてはあまり多くのことが知られていないファハド国王には3人の妻と8人の息子がいたと推測されている。320億ドルの資産と並び、サウジアラビアに7つの宮殿、フランスのリヴェイラに1つの城がある。

Tweet

現地の新聞はこちらから
原文をMHTファイルで見る

　同じジャンルの記事を見る

（ 翻訳者:岩根　匡宏 ）
（ 記事ID:566 )