自動車産業政策の昨今の動向 シャルグ紙
2005年09月08日付 Sharq 紙

2005年9月8日シャルグ紙12面

 「自動車の輸出は、イランの新たな優先課題である」。昨日、鉱工業省のある関係者はこのように語り、《原理主義》政権の今後の自動車戦略の一部を明らかにした。鉱工業省国際局長はさらに、「新鉱工業相が打ち出した方針によれば、輸出の拡大が最重要優先課題となる。この目標は、一定期間内に相応の成果をあげるべきものだ」と述べている。
 
 数日前には、鉱工業相は国内市場への自動車の輸入に関しても支持を表明していた。イランの自動車製造業に関して新たに打ち出された見解は、実のところ、これまで前政権下で実施されてきたことと、明らかな違いが存在するわけではない。ハータミー改革政権の下でも、自動車産業の戦略は国産自動車の輸出を軸としていたからだ。現政権の下でも、過去のそうした決定が継承されると予測される。というのも、これまでのところ、政策転換を知らせるような新たな動向は伝わってきていないからだ。ある鉱工業省関係者は、この点について以下のように語っている。「われわれは、鉱工業省の新たな方針を〔今後の政策の方向性を決める〕基準であると位置づけている。それは恐らく、これまでの政策を踏襲しつつ、それに新たなアプローチで臨むというものになるだろう」

 産業界は、自動車産業界を支援して、自らの製品をより容易に国外へと輸出することを狙っている。このように、おそらく生産面において、自動車製造の戦略に変化が生じることを期待するのは無駄であろう。自動車市場の需要者は自動車製品の品質の違いを6ヶ月後には感じられるようになると、タフマーソビー新鉱工業相は公言してはいるが、過去に何度も歩んできた道を同じように繰り返せば、品質改善という公約の実現に遅れが生ずることは必至だ。

 すでに明らかなように、国の産業政策を新たに担うこととなった責任者らは、製品をCBU(完成品)として輸出することを何よりも望んでいる。もしそうならば、ジャハーンギーリー前鉱工業相の時代に噂のあったヴェネズエラでの工場建設の話は、恐らく問題に直面することになるだろう。ソレイマーニー氏はこのことについて、「一部の専門家は、ヴェネズエラにサマンド〔イランの最新の国産車〕の組み立て工場建設を主張し、また別の専門家はCBUとしての輸出に固執している」と語る。

 これまで自動車メーカーは、世界の他の国々に工場を建設することを願ってやまなかった。中国やシリアにサマンドの生産ラインを稼働させる計画があるとの報道が流れてから、それほどの月日は経過していない。しかし他方で、この〔アフマディーネジャード政権が誕生した〕新しい時代に自動車産業関係者がそのような幻想を思い描くことは、少々理性を欠いているとの評価もある。というのも、自動車部門に関する新たな政策によって、自動車業界に海外工場建設の許可が与えられるとは考えられないからだ。ある業界関係者は次のように述べる。「これまで、他国で自動車の生産ラインを建設するために、十分な量の投資を行ってきた。恐らくこれ以上の投資は、経済的な正当性を欠くだろう」。いずれにせよ、輸出部門に新政権の優先課題がシフトされることは、大いに考えられる。

ところで昨日、自動車業界はようやく、プジョー405の利用者が被った被害を補償することを受け入れた。この問題は、イラン・ホドロウ社〔ホドロウは「自動車」の意〕の人気車であるプジョー405が〔走行中に〕出火したとのニュースが流れたにもかかわらず、メーカーは最初の数週間、責任から逃れようとしたもので、ここにきてようやく、彼らはこれまで認めてこなかった責任を受け入れざるを得ない状況に追いつめられた。

また昨日、ベルギーの会社が、国内の部品製造メーカーの協力の下、サマンドのエグゾースト部分の製造を請け負うことが発表された。数日前にも、自動車メーカーはサマンドのブレーキ製造の支援をドイツに求めている。業界が今後の生産を目指す新自動車のデザインもまた、ヨーロッパ業者が請け負っており、こうして国民車はヨーロッパの援助の下で生産されることになる。

さて、昨日の1千万〜1千200万トマーン〔約120万〜145万円〕台の自動車販売市場の売買は停滞気味であった。明らかに、購買者の多くが、新車が展示場にならぶのを待っている状態で、新製品の発表後に希望の車を探そうと考えているのである。

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( 翻訳者:柴田愛子 )
( 記事ID:832 )