トルコ系が住むイラク北部のタル・アファルで大規模な攻撃(Milliyet紙)
2005年09月11日付 Milliyet 紙

イラク北西部のタル・アファルを拠点としているイスラム勢力に対し、アメリカとイラクの軍隊が昨日、大規模な攻撃を始めた。空と陸からの爆撃により、141人のイスラム戦士の死亡が確認された。

イラクに駐留するアメリカ軍とイラク軍は、首都バグダッドから420キロ北西で、シリア国境から100キロの地点にあり、テュルクメン人が住民の90%を占める都市タル・アファルを拠点としている暴徒や外国から来たスンナ派アラブ人テロリストに対し、昨日未明から大規模な掃討作戦を始めた。3日以内で終える予定と伝えられている作戦で、初日は141人のテロリストが死亡、197人が身柄を拘束された。イラク兵も5人が死亡した。タル・アファルで先週行われた作戦でも、215人のテロリストが拘束されたことが明らかにされた。
作戦では、まず空から爆撃と砲撃を行い、続いて戦車と装甲艦が街に入り、テロリストたちの隠れ家だと言われる家々を破壊した。
家を一軒一軒捜索する一方、特に街の古い地区であるヘイ・エル宮殿近隣で数百人規模の軽武装のグループとアメリカ軍の間で激しい戦闘が起きた。
タル・アファルのテュルクメン人の大部分はスンナ派である。都市行政と警察は、サダム政権が倒れて以来、少数派であるシーア派テュルクメン人が掌握していた。イラクのイブラヒム・ジャファリ首相は、今回の作戦はタル・アファルの全ての宗教・民族勢力の助けを求める声に答える形で実行されたと話した。ジャファリ首相は、「憲法草案が10月15日の国民投票にかけられる前に、タル・アファルのテロリストを掃討したい」と述べた。

■さらに4つの都市

イラクのサドゥン・エル・ドゥレイミ国防相も、衝突で5人のイラク兵が死亡し3人が負傷したことを明らかにし、タル・アファルでの作戦後、北西部にある4つの都市でも反政府勢力を一掃する作戦を行うと述べた。エル・ドゥレイミ氏は、ラマディ、サマラ、ラヴァ、そしてカイムの住民に対し「我々はそこにも行く。テロリストや犯罪者、都市に寄生する者たちに隠れみのは残さない」と語った。

■住民は逃げた

モースル近郊にある人口20万人の都市タル・アファルの住民は、大部分が街を後にして近郊の村に避難したという情報がある。連合軍によれば、街の武装勢力の20%は外国人で構成されている。

■トルコは救援物資を提供

トルコ政府は、タル・アファルの住民が緊急に必要とする物資をまかなうため、食料と医薬品の援助を行う。
外務省が発表した文書によれば、援助物資を積んだコンボイを一両日中に送り出すという。物資を迅速にタル・アファルに届けるため、イラク政府や多国籍軍との協力関係の構築に向けた交渉を行うことが伝えられた。
物資の提供とともに、トルコ政府はタル・アファルの水道網と医療サービスの不備を解消するための支援も行う意向を示した。
外務省は、タル・アファルに関係者を派遣する方向で調整を続けていると発表した。

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( 翻訳者:佐藤淳也 )
( 記事ID:839 )