ドイツ総選挙でトルコ人が5人当選:若手が躍進(Milliyet紙)
2005年09月20日付 Milliyet 紙

ドイツ連邦議会選で当選を果たした5人のトルコ人のうち、ヒュセイン・アイドゥン氏は43歳、エキン・デリギョズ氏は34歳、セヴィム・ダーデレン氏は30歳だった。最高齢のトルコ人議員でも1943年生まれである。

ドイツで先日前倒しで行われた連邦議会の総選挙に出馬した26人のトルコ人候補者のうち、5人が当選を果たした。トルコ系議員の数は、これで2人から5人に増加した。
エキン・デリギョズ氏(緑の党)は3度目、ラーレ・アクギュン氏(社会民主党)は2度目の当選となった。左派党から立候補したドイツ・トルコ人連盟(Almanya Türk Toplumu)代表のハック・ケシン氏と同党のヒュセイン・ケナン氏、セヴィム・ダーデレン氏も当選した。アクギュン氏とデリギョズ氏は2003年の選挙でも連邦議員に当選していた。
ドイツで最も保守的な州であるバイエルン州から3度目の当選を果たしたデリギョズ氏は、「バイエルンにはある迷信がある。“ほうきの柄さえあればCSU(キリスト教社会同盟:同州のみを地盤とする、キリスト教民主同盟の姉妹政党)から誰でも当選する”というものだ。私はこの迷信を覆した」と語った。デリギョズ氏は、今回の結果がドイツの人々がトルコのEU加盟を問題視していないことを示していると述べた。

■誕生日のプレゼント

社会民主党(SPD)のラーレ・アクギュン氏は、ケルン南選挙区で直接、ライバル候補でキリスト教民主同盟(CDU)のロルフ・ビェトマン氏を下した。9月17日夜に家族ととともに誕生日を祝ったアクギュン氏は翌日、最高のプレゼントを手にした。43.8%の得票を受け再選された。ビルド紙は「ラーレ、ビェトマンを家に送った」という見出しで報じた。
民主社会党(PDS)と社会民主党(SPD)からの離脱者が結成した「左派党―民主社会党」連合は、3人のトルコ系議員を出した最初で唯一の党となった。ハック・ケスキン氏は「左派党は初の選挙で3人のトルコ系議員を含む51人の議員を出した。選挙までとても短期間の準備であったにも関わらず、議会では緑の党よりも大きな勢力となった」と語った。

■「任務は健全な野党活動」

ヒュセイン・アイドゥン氏とセヴィム・ダーデレン氏は当選を知って喜びの叫びを挙げた。年金生活者や庶民の声に根ざした野党を作ると抱負を述べたアイドゥン氏は、「地平線に大きな連立政権が見える。我々に課された任務は健全な野党としての活動をすることだ」と語った。ダーデレン氏も当選の喜びを、「議会で新しい左派の野党勢力の風を吹かせます。我々は本当の任務は今から始まります」という言葉で表現した。

■当選者の横顔

○エキン・デリギョズ:トカト出身の指導者
1971年トカト生まれ。1979年からドイツで暮らし、1998年に緑の党から連邦議会議員となった。コンスタンツ大学行政学部卒。妻と子ども1人がいる。

○ハック・ケスキン:トラブゾン出身の教授
1943年マチカ生まれ。1993-97年ハンブルク州議会でSPD議員を務めた。1982年からハンブルク大学教授を務め、政治と移民政策について教鞭を執る。1995年からドイツ・トルコ人連盟会長。妻と2人の子どもがいる。

○ヒュセイン・アイドゥン:トゥンジェリ出身の労働組合指導者
1962年トゥンジェリ生まれ。1976年からドイツで暮らす。1991年ドルトムントで社会アカデミーを修了し、長年IG金属労働組合に勤務。妻と子ども1人がいる。

○セヴィム・ダーデレン:エルズィンジャン出身の法律家
1975年デュイスブルクで生まれる。家族はエルズィンジャン出身。マルブルク大学で法律を学び始め、オーストラリアで勉学を続けた。出馬を労働組合が支持した。

○ラーレ・アクギュン:イスタンブル出身の心理学者
1953年イスタンブル生まれ。1962年ドイツへ渡った。1981年マルブルク大学心理学部卒業。1982年に党員となったSPDから出馬し、2002年に初当選した。妻と娘1人がいる。

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( 翻訳者:清水 葉月 )
( 記事ID:907 )