インド外相:イランとの関係は他国に影響されず シャルグ紙
2005年09月05日付 Sharq 紙

2005年9月5日付シャルグ紙5面

【バルマク・バフレマンド】エネルギー不足にあえぐインドのナトワル・シン外相は金曜日、イランを訪問した。同外相はイラン当局との会談の中で、イランの原子力の平和利用計画への支持を表明し、さらにインド・イラン関係は、一部の第三国の発言や立場に影響されることはないと述べた

 シン外相のイラン訪問は、イラン外交の意思決定機関が、アジア諸国との関係拡大を加速化させることを優先課題に位置づけたことを背景としたものである。ハミード・レザー・アーセフィー外務報道官は、日曜日に報道陣に対して、「イランはアジアという大家族の一員であり、アジアの諸国家との連携はイランの重要課題のひとつである」と述べ、マヌーチェフル・モッタキー外相も、インド外相との会談の中で、「イランの外交をバランスのとれたものにするためには、東洋に関心を向け、アジアのほかの諸国との関係を拡大させることが必要である。このことは新政権の外交政策のアジェンダとして位置づけられている。このような中で、イラン・インド関係は、以前に増して、今後あらゆる分野で拡大と深化を遂げていくことだろう」と述べている。

 他方シン外相は、「インドはあらゆる場で、とりわけ非同盟諸国(非同盟的な運動に参加する国々で、おもに貧しく、発展途上の国々によって構成されている)として、イランとの協力関係を重視していく用意がある」、さらに「インドとイランは、地域の重要なプレイヤーとして、国際的、地域的に重要な諸問題に関して、共通の認識を有している」と述べた。

 イラン外交の新執行部は、核燃料生産をはじめ、イランの核開発計画に対するアジア諸国や南側の国々(主に貧しく発展途上の国々を指す)の支持を集めることは、イランの国益に資することになると考えている。

 アフマディーネジャード大統領は土曜日、シン外相と彼に同行した外交団との会談において、両国の関係は広く深く、歴史的なものであり、イランはこれからもさまざまな領域で両国の関係を拡大していく用意がある旨述べた。さらに大統領は、両国は共通の利害を有しており、国際関係においても重要な役割を果たしうると付け加えた。パキスタン経由のインドへのガス・パイプライン敷設構想は、両国間の議論の焦点のひとつであり、両国の当局者の話によれば、同構想は「実現」ヘと向けた「最終」段階にあるという。大統領自身、このプロジェクトの実現は、イラン、パキスタン、インドの3カ国にとって利益となると述べている。これに対してシン外相も、「インドは地域共同の計画、とりわけ3カ国によるガス・パイプライン構想を、他の国々の干渉を排除してでも実現させたいと考えている」と述べた。モッタキー外相もまた、シン外相との会談の中で、「3カ国が推進するパイプライン構想、南北輸送網の推進は、周辺の重要地域における平穏と安定、成長につながるだろう」と述べている。

 イランの核エネルギー問題が議題に上ったところで、インドのシン外相はアフマディ・ネジャド大統領に対し、イランは平和利用のための原子力技術を保有する権利を有していると述べたが、この技術というのが、アメリカやヨーロッパ3カ国が反対している核燃料製造関連施設を含むものなのかどうかについては、明言しなかった。シン外相は、インドはイランの核問題は国際原子力機関の枠組みの中で処理されることが望ましいと考えており、安全保障理事会への付託には反対であると述べた。同外相はまた、インドはイランとの関係の拡大に関して、一部の他国の発言や立場に左右されることはないとしたが、これは実際にはイラン=パキスタン=インド間ガス・パイプライン敷設構想に今も反対しているアメリカの圧力に対する返答に他ならない。

 ロイター通信は土曜日、「イランに対する国連の経済制裁の圧力が強まっている事実をよそに、エネルギー不足にあえぐインドは、投資額が70億ドルに及ぶイラン=パキスタン=インド間ガス・パイプライン敷設構想の実現を今後とも追求する構えである」と報じている。その一方で、インドのシン外相はイラン大統領との会談で、同構想の実現はイラン、インド、パキスタン3国の関係の拡大と強化につながるだろうと述べている。

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( 翻訳者:柴田愛子 )
( 記事ID:805 )