イラン産ピスタチオのシェアが下降傾向 シャルグ紙
2005年09月06日付 Sharq 紙

2005年9月6日付シャルグ紙12面

 おそらくイランのピスタチオは、250年の歴史を有している。ここ50年以上、ピスタチオ農園は拡大を続けており、これまでと同様イラン産ピスタチオは世界でもっとも大きなシェアを占めている。しかし、イランがうかうかしている間に、ライバル国はピスタチオ生産の拡大に成功し、イランの独占的地位を蝕んできているのだ。

 1357年(西暦1978年)の段階で、イランのピスタチオ生産量は69,000トンに上り、世界のピスタチオ生産量の80%を占めていた。しかし、1381年(西暦2002年)には、その割合は56%に落ち込んだ。その一方で、1360年(西暦1981年)の時点でピスタチオ輸入国であったアメリカは、1381年には世界生産の25%を占めるにいたり、瞬く間にイランのライバルに転じた。その年に初めて、イラン農業部門の輸出額の50%以上をピスタチオが占めることとなったが、非関税障壁の存在やピスタチオに付着したアフラトキシン〔ピスタチオに寄生したカビが原因で発生する発ガン性物質〕の含有量にEUが神経質になったことなどが原因で、同時期のピスタチオの輸出額は減少している。

 農業計画・経済研究所が1370年から1381年(西暦1991年から2002年)にかけて農業部門でもっとも主要な輸出財であったピスタチオに関して行った調査によれば、ピスタチオの輸出はその間、2つの変動を経験したという。そのうちのひとつは、生産量の低下によるもので、もうひとつは市場でのライバル国の急速な成長によるものであった—そしてこのライバル国の挑戦は今も続いている。70年から81年の間で輸出額がもっとも低かった年は76年で319万7千ドル、他方輸出額がもっとも高かった年は81年で、949万7千ドルであった。すなわち、同期間の各年の平均輸出額は438万3千ドルと見積もられており、農業部門の全輸出量に平均して占める割合は、およそ43%であった。

 他方、昨年のピスタチオ輸出に関しては、生産量が3129トン、輸出額が853万2千ドルであった。これらを82年(西暦2003年)と比較すれば、生産量は5.37%、輸出額は7.33%減少したことになる。オズラー・タビーブザーデ氏の見解によれば、この減少は不作に起因するとされる。しかしながら関税障壁や、ピスタチオの品質の低さといった要因も、この流れに影響を与えていないとは言えないだろう。今後品質の向上、衛生管理の徹底など、生産面での改善に力を注がない限り、今後ともこの減少傾向は続くものと思われる。

 今年度の最初の4ヶ月間の関税統計によれば、イランの農業部門の全輸出量5214トンのうち、ピスタチオとマグズ・ピスタチオ〔ピスタチオの芯にあたる部分?〕の輸出量は全体の8.35%を占めており、輸出額にすれば310万5千ドルであった。

(後略)

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( 翻訳者:柴田愛子 )
( 記事ID:817 )