アレキサンドリア銀行、16億ドルでイタリアの銀行に売却
2006年10月18日付 Al-Ahram 紙

■ アレキサンドリア銀行、16億ドルでイタリアのサンパウロ銀行へ売却
■ ガーリー財務相:「売却利益は国家債務の軽減にあてられ、それによって新しい投資を呼び込こむことになる」
■ ウクダ中央銀行総裁:「売却金額は銀行の預金高の5.5倍に相当」

2006年10月18日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

昨日、初のエジプト公営銀行売却となるアレキサンドリア銀行の売却取引が公開入札の形で行われ、成功裏のうちに終了した。同入札においてイタリアのサンパウロ銀行が「戦略的投資家」としてアレキサンドリア銀行の資本金の80%、16億ドル相当を、一株あたり12.6ドルの価格で取得、この入札でアレキサンドリア銀行の価値は116億エジプト・ポンド、20億1600万ドル相当に達した。株式の5パーセントは従業員に割り当てられ、15%は今後証券取引所で売りに出される予定。

 記者会見でファールーク・ウクダ中央銀行総裁は取引を歓迎し、完全な透明性のなかで行われたと指摘した。また売却金額は銀行の預金高20億エジプト・ポンドの5.5倍に達すると述べて、この額は国内的にも世界的にも同種のものとしてはもっとも高額であると指摘し、このことはエジプト経済への信用とエジプト市場に対する投資の魅力を反映したものだと述べた。

ユースフ・ブトロス・ガーリー財務相は銀行の売却利益は国家の一般会計における債務の軽減にあてられ、それによって新たな原則に基づくさらなる投資を呼び込むことで国民向けのさまざまな公共サービス事業、社会保護網の拡大、公営銀行および公営企業の骨格の再建にも寄与すると強調した。

 マフムード・ムヒッディーン投資担当大臣は、入札ではイタリアの銀行が提示した20億1600万ドルが最高金額で、次に高かったのがバンク・アラビーが提示した8億1000万ドルだったと語った。
また大臣は、シーディー・アブドゥッラフマーンの土地売却や第3携帯電話網の権利売却の際にもとられたこの公開入札制度が肯定的な結果をもたらす点を強調し、今後の売却交渉においても同じ方式がとられるだろうと明言した。

 イタリアのサンパウロ銀行代表は、今回の取引のために払われた大きな努力を賞賛した。この取引の計画はかなり以前から始められ、中央銀行や政府の関係部局すべての協力を得て進められていた。さらには入札の際に完全な透明性が確保されていたことについても賛辞を送り、商標についても営業能力や取引額においても、アレキサンドリア銀行の姿をそのままに維持すると明言、経営陣はエジプト国民および銀行の国内外の顧客のためにさらなる質の向上を目指すと約束した。

 今回の銀行売却では5つの金融機関が技術的・金銭的な提示を行ったが、エジプトのコマーシャル・インターナショナル・バンクだけは株式保有の条件を満たしていなかったため、入札開始の直前に撤退した。 
アレキサンドリア銀行はエジプトの大手銀行の三番手に数えられる。同銀行の資産は65億ドルにのぼり、エジプト各地に188の支店を持ち、従業員数は3000人、顧客の数は150万人に達する。



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( 翻訳者:平寛多朗 )
( 記事ID:3744 )