同じ小学校内で授業環境に格差~ドアの壊れた教室ときれいでゆとりのある教室(Milliyet紙)
2006年10月07日付 Milliyet 紙

イスタンブルで最も人口密度が高く、急速な人口流入が発生しているガーズィーオスマンパシャ区のエセンテペ小学校に通う子供たちは、最も情け容赦ない形で、貧富の差というものを小学校の机で学んでいる。 エセンテペ小学校には4,300人の生徒が在籍しているが、多額の寄付を行った家族の子供と、行っていない家族の子供を区別している。慈善家たちの援助により、学校側は小学校の1階の教室のうちの5つの教室にカーテンをかけ、机に1人ずつ座る教室にしている。そしてこれらの教室には、 150YTL(約12,000円)以上の寄付をした家族の子供を割り当てた。

■特別教室は35-40人学級

この特別教室は35-40人学級である。その一方で他の生徒たちは55-60人学級で一つの机に3人ずつ座り教育を受けなければならない状態だ。その上、これらの教室のうちのいくつかは、教室のドアがなかったり、蝶番がとれているので、壁に寄りかかってしまっている。1階の特権クラスが他のクラスと大きく違うもうひとつの場所はトイレだ。特権クラスのトイレは、児童の体にあわせたサイズで、清潔で近代的である。上の階のトイレは手入れが行き届いておらず、児童の背丈にあっていない。
保護者らは、学校側が慈善家の寄付によって整備された教室を使って、児童の間に格差をもたらしていると主張する。そして 寄付の名の下に金集めをしているといい、多くの家族が4~6人の子供をもつにも関わらず、子供1人につき最低30YTL(約2,400円)が強制的に寄付金として徴収されたという。
アリム・ヤヴゥズ校長の名で作成された保護者会の議題の9番目には、「小学校への会費(寄付)の金額は、児童1人につき30YTL(約2,400円)とする。(兄弟の有無は考慮しない)」とあり、振込先口座番号が記されている。

■EUは我々のプロジェクトを承認した

ヤヴゥズ校長は、我々が特権クラスの写真撮影をする前に行った会見で次のように語った。「学校には設備が整っていないところがたくさんあります。児童の家族は寄付してくれません。このため市や慈善家に援助を要請しました。EU基金から助成金を得るために提出した我々のプロジェクトが承認され、児童の制服も助成金で購入されました。困窮している他校にも我々は援助することができます。」
しかし数日後、許可を得て我々が学校へ行き、特権クラスを撮影して、「保護者らは、これらの教室には一人当たり150YTL(約12,000円)以上の寄付を行った家庭の児童が入っている、と言っているが」と質問すると、ヤヴゥズ校長は「ノーコメント」と答えた。


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( 翻訳者:富田祐子 )
( 記事ID:3650 )