ババジャン国務大臣、デンマーク入国でトラブル -入国審査よりロジテレビの対応を(Hurriyet紙)
2006年11月17日付 Hurriyet 紙

 国務大臣でありEU加盟交渉役代表のアリ・ババジャン氏は、15日夜、デンマーク入国した際、コペンハーゲン空港で国境警察によって保安のための身体検査を求められたことをうけて、随行者に「トルコへ戻ろう。」と言ったが、この危機的状況が寸での所で解決されたため、トルコへ戻ることを断念したことが分かった。北欧を地で染めた野蛮なヴァイキングの末裔であるデンマーク人の職員がトルコの大臣に対してとった態度は、先祖のヴァイキングそのものだった。トルコ外務省の幹部は「デンマーク警察が優先的にすべきことは、テロ組織の声、ロジテレビを黙らせることだ。」と反発した。

■ 大使の抗議

 ババジャン大臣とその一行を出迎えるために待っていたメフメト・アカド在デンマーク大使は、デンマーク外務省に連絡を取り、トルコ共和国の大臣ならびに随行の一行を「不審人物」とすることは容認できかねることを伝え、この姿勢を厳しく抗議したことを明らかにした。アカド大使はババジャン大臣がトルコから搭乗してきたトルコ航空機をそのまま待機させていること、そしてデンマーク警察がこの姿勢を改めない場合はトルコへ帰国することになると伝えた。これをうけてデンマーク外務省の儀典部関係者が警察を説得し、この危機的状況が大きくなることを防いだ。ババジャン大臣は身体検査を受けずにデンマークへ入国した。

■情報伝達不足

 ババジャン大臣は16日、コペンハーゲンでこの問題に関する質問に次のように回答した。
「大変ありがたいことに我々は訪問したすべての国で、トルコ共和国の大臣として相応のかたちで迎えられている。我々は今回のことがまったくのテクニカルな問題で、情報伝達不足から起こったことだったと考えている。」

 在アンカラのデンマーク大使、キム・ヨルゲンセン氏も16日、「大変不運なことだった。詳細は分からないが、何かの間違いだ。非常に遺憾である。」と述べた。

■ ロジテレビのメッセージ

 デンマーク警察は、トルコ航空がトルコの大臣とその一行を乗せてくるという知らせを受けていなかったため、通常どおりの検査を行ったと主張した。その一方で、(トルコ外務省の)幹部のひとりは次のように述べた。
「トルコ共和国の大使がそこで大臣をまっているのだ。なされた行為はまったく洗練されたものではないし、善意をもった行為ではない。何年もの間、テロ組織の放送機関であるロジテレビを閉鎖せよと我々は様々な手だてを尽くしているが、(デンマーク側は)まったく動こうとしない。なのにトルコの大臣に無礼をはたらくことにはまったく躊躇はない。完全になにか隠された意図のある行為だ。」

■帰国するところだった

 デンマーク警察は、トルコ航空機でコペンハーゲンに到着したアリ・ババジャン大臣に身体検査をしようとして、外交危機をもたらした。ババジャン大臣は、ミニバスから降りずに航空機を待機させ、「トルコへ帰国する」というメッセージを伝えた。デンマーク外務省の幹部らは国境警察を説得し、同大臣は身体検査をされることなく入国することができた。

■野蛮な種族

 ヴァイキングは8世紀から11世紀の間にスカンジナビア沖、英国、北欧を支配した闘争的な種族である。船乗りで野蛮な種族のヴァイキングのなかでもベルセルク(狂戦士)という名の戦士たちは、非常に恐ろしい。スウェーデン人、ノルウェー、デンマーク、そしてアイスランドの人々はヴァイキングの末裔だと考えられている。


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( 翻訳者:永井ひとみ )
( 記事ID:3912 )