Fikret Bila コラム:左派よりも民族主義者行動党の方を向く共和人民党 (Milliyet紙)
2006年11月21日付 Milliyet 紙

CHP(共和人民党)のバイカル党首は、MHP(民族主義者行動党)と同党のバフチェリ党首が民族主義的主張を共和国の価値観とアタテュルクの原則に合わせることを重視していると語っている。バイカルは、DSP(民主左派党)のセゼル党首の「会談を期待している」とのコメントには「公式の会談要請はない」と答えた。

CHPのデニズ・バイカル党首は、MHPのデヴレト・バフチェリ党首が党大会で行った演説を「大変重要な見解だ」と評価した。バイカルが重視したのは、自らを民族主義的右派であると認めてきたMHPと党首のバフチェリが民族主義的主張を共和国の価値観とアタテュルクの原則、建国の理念に合わせることだ。バイカルは昨日の会見で、バフチェリの演説を評価する一方、次のように話した:

■国民主義者の波の到来

「国民主義者の伸張が共和国思想と近代化の進展と一体のものとして扱われることは大変重要だ。こうした認識がMHPからやって来ることはより一層重要だ。国民主義者の波は共和国の価値観とアタテュルクに敵対する形で高まる可能性もあった。しかしMHPの党大会でこれが共和国の価値観とアタテュルクの原則に基づいて理解されたことは、大変大きな重要性と価値を持っている」。

バイカルは、バフチェリが共和国の価値観と建国の哲学を共通項として呼び掛けを行ったことを重視し、次のように言っている。
「AKP(公正発展党)のとった政治と共和国の価値観において引き起こした破壊に対し、MHPが左派・右派の区別なしに示した反応と行った呼び掛けは大変重要だ。これは国民主義者の観点から見れば喜ばしい見解だ」。
CHP党首は、MHPの党大会で「神よトルコ人を守りたまえ」「トルコ人よ震えよ、正気に戻れ」といった類の狭い枠に閉じこもったスローガンの代わりにアタテュルクの「自分をトルコ人という人はなんと幸せか」という言葉を唯一のスローガンとして使ったことも非常に評価している。

バフチェリは、こうした方針を以前にも表明し、演説で「自分をトルコ人という人はなんと幸せか」という言葉を使っていた。バフチェリは、憲法第66条に書かれているように、同胞であることの紐帯で結ばれた全ての人がトルコ人であると明言してきた。民族的な志向を拒否するこの言説は、過激な民族主義者から批判を浴び、党大会では(党内の)反対勢力によって最も批判された点となった。しかしバフチェリは、1139人の代表の用いた票のうちの1127票の有効得票を得ることで、この方針を党大会で承認させたことになった。バイカルは、国民主義者の波とバフチェリの演説を評価する一方で、「外に閉ざすこと」のリスクについて次のように述べている:

「もちろんこうした国民主義者の波がトルコを内にこもらせ、世界との繋がりを断たせるものとして見られてはならないし、そのように受け止められてはならない。このように敏感になる理由の1つが現政権の外交政策であり、EUの要請を無礼なやり方で議論するしかたである。

■内にこもらずに

国民主義者の伸張は外の世界との繋がりを断ち、背中を向ける形ではなく、国民的な利益を第一に掲げ、人間味のある外交政策に戻るために利用されなければならない」。

バイカルはDSPのゼキ・セゼル党首がデルヤ・サザックとのインタビューで「左派連合のための会談を期待している」「エジェヴィト(元首相)の葬儀で握手さえしなかった」と話したことについて次のように答えた。

■公式な会談要請はない

「こういったことは快いやり方ではない。私が葬儀で誰かの手をわざと握らないというようなことはあり得ない。葬儀の場で出会った全ての人と握手をした。会談を求めたが断られたというような話も不愉快だ。私に秘書を通じて来た公式な会談要請はない。もしかしたら彼が連絡を取った我々の仲間との件ではなかったのか」。

セゼルの左派連合の名目で連帯しようとの呼び掛けに対し、バイカルはどのような反応を示しているのか。元からバイカルのこの件に関する考えは明らかだ。この考えや態度を変えてはいない。

バイカルは、左派の連合は、連帯ではなく統一することでもたらされると信じている。この統一はCHPが残る形であるべきだと主張している。法律上の唯一の方法は統一であると言っている。CHP党首は、左派連合を唱えている人たちが個人的にCHPに移るのと同様、組織としてもCHPと統一できると語っている。セゼルに提案があるならこれを発表し、CHPに何らかの形で伝えることがより正しいやり方であると信じている。こうすれば、CHPが明らかにされた提案について検討し、興味深ければ交渉に移ることができると述べている。CHPが連帯の文脈で「国会議員の取引交渉」をすることには関心がなく、トルコの条件が、掛け値なしにCHPを中心として真の統一を求めていると主張している。

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( 翻訳者:穐山 昌弘 )
( 記事ID:3940 )