Hasan Pulur コラム:失業率は下がっているというけれど・・・(Milliyet紙)
2006年11月27日付 Milliyet 紙

(作家の)アズィズ・ネスィンがどれだけ「経済は学問ではない」と言ったとしても、また一部の経済学者がアズィズ・ネスィンの言葉の正しさを認める発言をしたとしても、世界経済は経済を学問として認めている。
ただ、トルコの経済はおかしな経済で、詳しい人の説明するところによると、インフレ率が上がると商店街やバザール(市場)での価格が上がり、下がると物価も下がるらしい。

だが、真相が何であれ、政府は「インフレ率を下げた」と言って数字を並べて見せているが、店頭の価格が下がったりしたことはない。バザールにいる主婦に聞きにいけば、値段がどの程度なのか教えてくれる。

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一方で失業問題がある。
失業率は10パーセント、つまり100人に10人が失業している。しかしアメリカの人々によれば失業率は下がっており、今年の第1四半期には去年と比べて0.3パーセント下がったらしい…

本紙コラムニストのファイク・オズトゥラクは、先週金曜日のコラムで問い掛けていた:
「この状態で失業率はどうやって下がるのか?」
どんな状態か。
「この4年間で生産年齢人口は360万人増えたのに、仕事は44万6千人分しか生み出されていないらしい…」
ファイク・オズトゥラクが「この状態で失業率はどうやって下がるのか」と言った「状態」というのは、この状態なのだ…

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あなた方への問いとは?
コーヒー屋で失業して座っている人に尋ねるとする:「仕事を探しているの?」
相手が「いや、あきらめた」と答えるなら、あなた方は怒るのではなかろうか?

にもかかわらず怒るのは正しくない。なぜなら彼は仕事を探しても探しても見つけられず、もう望みを失ったに違いないからだ。
毎朝家を出て、何軒かのドアの呼び鈴を鳴らしたあと、「仕事はないんだよ!」と怒鳴られて夜家にパン代も稼げないまま戻ると、腹を立てるのをやめて「仕事は探さない。おしまい!」と言うはずだ。

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このことが誰の役に立つのかご存知か?
望みを絶たれて職探しをあきらめた人々が求職者の中から抜けると、政府も「さあこれで仕事を探す人が減った!」と上機嫌になるのだ。

いくつかの調査が行われているが、(それによると)一般市民が最も不満に思っていることは何か?
失業だ!
仕事のない人を恐れよ…
アナトリアに伝わる1つの格言がある:
「腹をすかせたキツネは、鼻でかまどの壁を突き破る」。

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( 翻訳者:穐山 昌弘 )
( 記事ID:3994 )