İsmet Berkan コラム:イスタンブル都市計画 プロアクティブな行政が必要だ(Radikal紙)
2006年01月12日付 Radikal 紙

 この2日間イスタンブルの問題点について書いているが、私が言おうとしているのはリアクティブとプロアクティブの違いなのだ。地方自治体も政府もこれまでずっとリアクティブだった。今やプロアクティブな行政が求められている。いち早く求められているのはイスタンブルだ!

 リアクティブとは何か?ある問題が起きたとしよう。例えば50年代には地方から都市への大量移住が始まった。その後行政はこの問題の解決策を探し始めた。国庫から村民、農民へ村に留まるための援助金としてお金を渡すという解決策が見つかった。しかしその時には問題は形を変えていた。地方から来た者たちは都市の土地を占拠し不当な住居を確保し始めたのだ。
 
 かれこれ50年が経つがこの問題にはいまだ解決策が見つかっていない。むしろこの問題が存在し続けることは一部の政治家にとっては政治を続けるために都合が良い。
 
 リアクティブであるとはこういうことだ。問題の後方にまわることだ。ただ「リアクション」をとるだけ。つまり「反応を返す」ということだ。
 
 これとは正反対の姿勢がプロアクティブだ。ここで基本となるのはまだ問題が発生しないうちに、または問題がひどくならないうちに解決策を見つけようとすることだ。トルコで我々が必要としている行政のあり方はまさにこれなのだ。問題が発生する前に、または重大化する前に解決方法を作り上げようとする行政。
 
 特にイスタンブルではプロアクティブな都市行政が求められている。なぜならこの先イスタンブルでは地方からの移住は減るどころか、増えていくだろうからだ。その移住の結果、またまたイスタンブルの新たな土地が占拠され、無認可住宅が造られていくのか。あるいは市が今から予防策をとり新たな無認可住宅エリア、新たなゲットーの出現を許さないようにするか。
 
 よく聞いてもらいたい、鳥インフルエンザによって2つの区域のいくつかの町が隔離されている都市の話をしているのだ。ここはトルコで最も現代化した、最も豊かな都市だ。しかし一部の住民たちは農村での習慣から抜け切れていないのだ。彼らは家の庭の囲いの中で鶏を飼っている。この都市は、都市計画に基づいて大きくなったわけではないため、いくつかの地域は村として拡大した。どうか一度ハビップ地区に行ってみてほしい、巨大な人口を抱えるこの最も新しい町はあなた方の目にイスタンブルらしいと映るだろうか。
 
 ハビップ地区はイスタンブルに含まれる村々のうちの1つだった。ものさびしいところだった。しかしそこへ人々が行くようになると一瞬にして開発が進んだ。いまや村の全ての土地の上に、何の計画もないまま歩く隙間もないような町ができている。
 
 つまりこの地区は開発される際に何の配慮もされていなかったのだ。そもそも多くの建物が無許可だ。バージュラル地区の周辺が当時(それほどの昔ではなく、たかだか15年前だ)無計画に作られたため現在大きな問題が発生しているが、ハビップでも状況は同じだ。道もなく駐車場もなく、森林区域もない。建物が次々と重なっている。
 
 ハビップ、エセンレル、アトゥシュアラヌ、そして一部のガーズィーオスマンパシャ地区はここ15年から20年間の移住によって形成された。今後10年の間にイスタンブルにはさらに最低でも500万人が移ってくるだろう。彼らのために用意された新しい町はあるのだろうか?さて行政はただリアクションをとるだけなのか、それともプロアクティブになれるのだろうか?


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( 翻訳者:加賀谷 ゆみ )
( 記事ID:1704 )