イラク問題:ハキーム師、マーリキー首相支持を明言 ハムシャフリー
2006年12月13日付 Hamshahri 紙

2006年12月13日付ハムシャフリー

【国際部】イラク・イスラーム革命最高評議会がヌーリー・マーリキー・イラク首相の弱体化を狙っており、さらに〔同評議会の議長を務める〕アブドゥル・アズィーズ・ハキーム師がイラク政権からムクタダー・サドル師を放逐することに合意したとの情報が流れている。これに対し、ハキーム師は12月13日水曜日、これらの流説をすべて否定した。

 イラク・イスラーム革命最高評議会議長は、ロンドン発行のアル・ザマーン紙とのインタビューの中で、「われわれはマーリキー首相と同様、政権の一部改編には同感だ。しかし、それは政権の弱体化・無力化に同意しているという意味ではない」と述べた。

 同議長はまた、イラクの現政権を支持する旨強調した。その上で同議長は、「イラク政府の改編問題、そしてムクタダー・サドル師を権力の中枢から遠ざけることに関して、われわれが表明しているとされている事柄は、事実に反する」と語った。

 ハキーム議長はさらに、「イラク最高評議会は、現在の統一連合を依然として支持している」とも表明した。

 トニー・ブレア英首相との会談後、インタビューに臨んだ同議長はまた、「過激派やサッダーム派はイラクの真の敵であり、われわれが彼らと和解することはできない。彼らも、イラク人民と和解することはできない。それゆえ、彼らとは対決以外の道は残されていない」と述べた。

 ハキーム議長のこの言明は、国民和解会議参加をサッダーム派に呼びかける案に対する回答であるようだ。アメリカや一部のアラブ諸国は、イラクの国民的和解に関連した対話に、同派を招待することを主張しているが、イラクのシーア派やクルド人らはこの案を幾度となく拒否している。

 イラク・イスラーム革命最高評議会議長はまた、このインタビューの中で、新たな超党派的な政党を設立する意向であることを明らかにし、次のように述べた。「新たな政党を設立することを目的とした話し合いが、最高評議会とイラク・クルディスタン連合イスラーム党との間で行われた。これは、イラクにおける部族的な動きを克服することが狙いだ」。

 ▼ イラク、新治安対策案をアメリカ側に提示

 他方米紙は、イラク側がアメリカに新たな治安対策案を提示したと報じた。同案では、イラク首都の治安確立の任務は、イラク治安部隊に委ねられることになる。

 ニューヨーク・タイムズの報道によると、イラク案では米軍はイラク首都で周辺的な役割を果たすことになるという。

 イラクのムワッファク・アル=ルバイー国家安全保障顧問はインタビューの中で、同案は11月30日にヨルダンで行われたヌーリー・マーリキー首相とジョージ・ブッシュ米大統領との会談の中で提示されたと語った。

 ルバイー顧問はまた、「彼ら[米軍]が規模を縮小させ、自らの存在をあまり目に付かないようにすることが、極めて重要だと私は考えている。彼らはバグダードの周辺で活動すべきだ」と強調した。

 これに対し、米国家安全保障会議(NSC)報道官の一人であるゴードン・ジョンドロー氏は、ジョージ・ケイスィー(George W. Casey Jr.)在イラク米軍上級司令官(将軍)がこの案を検討中であると述べた。

 ▼ 続発するテロ事件

 イラクで続いているテロ事件としては、昨日45名の民間人がバグダードで死傷した。諸々の報道によると、バグダード東部シーア派のカマーリーヤ地区にあるモスクの近くで、爆弾を仕掛けられた自動車が爆発し、その影響で15名以上が死亡、30名が負傷した。

 前日にも、バグダードでは爆発事件が起き、120名以上が死傷している。

 キルクークでも、爆弾が仕掛けられたトラック2台が爆発し、石油施設を警護していた警備員19名が死亡した。

 他方、米軍は昨日発表した声明の中で、以前に負傷していた3名を含む米海兵隊員5名が殺害されたことを明かした。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:4123 )